青林書院



就業規則の法律相談


就業規則の法律相談
 
編・著者杜若経営法律事務所
判 型A5判
ページ数368頁
税込価格5,280円(本体価格:4,800円)
発行年月2024年1月
ISBN978-4-417-01870-4
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■解説
労使紛争に強い就業規則をどう作るか?
◎使用者側弁護士が規程作成・変更のポイントを詳解
◎見落としや誤解がありがちな事項を中心に設問をセレクト
◎紛争の未然防止に役立つ120余りの『規定例』を掲載
◎最新法令、学説、判例、裁判例を踏まえた実務解説
弁護士、社労士、人事、労務担当者必携
             

はしがき
就業規則については、歴史的にみると、最初に法律の明文で定めが置かれた
のは戦後の労働基準法制定時であり、小規模の事業を除いてその作成及び届
出の義務が設けられた。これは、事業場の労働者に対して統一的に適用される
労働条件やルールについて、事業者による違法な規律や恣意的な運用を抑止し、
紛争を未然に防ぐ観点から国家機関による監督のもとに置く必要があると考え
られたものであると言われている。
 その後、就業規則の法的性格に関する判例法理が積み重ねられ、これを踏ま
えた解釈論をベースに実務が運用されてきたが、2007(平成19)年に制定され
た労働契約法において判例法理が法文化されたことによって、法律家だけでは
なく労使双方を含めた一般市民にも少なからず就業規則の意義が浸透してきた
ように思われる。
 就業規則は、荒木尚志教授による整理を拝借すると、「契約のひな形」とし
ての機能に加え、制定法により与えられた特別な効力として、最低基準効(労
契法12条)、契約内容補充効(労契法7条)、契約内容変更効(労契法10条)があ
る。労使で相互に信頼関係を構築し、円滑な事業活動を進めるうえで、これら
の機能や効力のある就業規則の役割や重要性は非常に大きく、日々の各種人事
労務対応の場面や就業規則の変更の場面においてこれらの機能や効力を常に意
識して対応する必要がある。
 就業規則の記載事項に関する労基法の定めは89条1号から10号までに過ぎな
いが、10号が「前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適
用される定めをする場合においては、これに関する事項」と定めているとおり、
統一的なルールとして就業規則で定めるべき事項は広範囲に及んでいる。さら
に、昨今は労働関係の各種法令やそれらに基づく指針などにより就業規則にお
いて定めることが求められる事項も相当多岐に亘っている。
 本書では、就業規則の基本的事項から、採用、人事、退職・解雇、服務規律、
労働時間、休日・休暇、育児・介護休業、安全衛生・災害補償、賃金、不利益
変更、懲戒、その他の章に分け、一般的に問題となりがちな事項や、見落とし
や誤解がありがちな事項を中心に設問を構成した。もとより就業規則の定め方
によって金科玉条のごとく全てが解決するものではないが、極力紛争を未然に
防止するとともに、各種対応にあたって事業主が柔軟に対応できるようにする
観点から就業規則の定め方や対応について検討、解説を試みた。
 2分冊、計82問の設問の執筆にあたって弊法律事務所の弁護士14名が携わっ
た。解説や規定の内容については執筆者間での矛盾・齟齬はないものの、実際
の規定には様々な表現が用いられることもあり得るところでもあるため、規定
の文言や表現については敢えて執筆者間の統一を図っていない。
 本書が、労務に携わる方々が就業規則にまつわる問題を検討するにあたって
の一助になれば望外の喜びである。
 本書に先立ち2022(令和4)年9月に刊行された弊法律事務所編著の『未払
い残業代請求の法律相談』が幸いにも好評を博し、2分冊での本書刊行のご提
案をいただき、筆を執ることになった。人事・労務分野を専門に扱っている弊
事務所がこのように連続して執筆の機会をいただいたことは大変光栄なことで
あり、読者の皆様方、本書の企画、刊行に向けてご尽力いただいた青林書院の
鈴木広範様をはじめとする編集部の皆様方に心より感謝申し上げます。
  
 2023(令和5)年12月
  
                  杜若経営法律事務所  
                  執筆者代表  
                  弁護士 平野 剛、弁護士 向井 蘭


編著者
杜若経営法律事務所
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目20番地 第2龍名館ビル8階
TEL 03−6275−0691 FAX 03−6275−0692
URL:https://www.labor-management.net
  
  
執筆者
井山 貴裕(弁護士)Q53
梅本茉里子(弁護士)Q66、Q69
岡  正俊(弁護士)Q51、Q52、Q57、Q73
岸田 鑑彦(弁護士)Q44、Q49、Q55、Q61、Q62
釋  英導(弁護士)Q65
友永 隆太(弁護士)Q56、Q63、Q74、Q75
中村 景子(弁護士)Q46、Q70、Q79、Q80
樋口 陽亮(弁護士)Q45、Q54、Q68、Q71、Q81
平澤 大樹(弁護士)Q43、Q76
平野  剛(弁護士)Q50、Q60
本田 泰平(弁護士)Q47、Q48、Q72、Q82
向井  蘭(弁護士)Q58、Q59、Q64
山  駿(弁護士)Q42、Q67、Q77、Q78






■書籍内容
第 6章 労働時間
Q42■ 始業・終業時刻、所定労働時間、休憩時間
 始業・終業時刻、所定労働時間、休憩時間についての定めについて、どのような点
に留意すればよいですか。早出・早上がりをする場合などには、始業・終業時刻の繰
上げや繰下げの規定を設けていれば対応できますか。
Q43■ 変形労働時間制
 シフトパターンの不記載により変形労働時間制が無効となると聞いたのですが、本
当ですか。就業規則によって変形労働時間制を採用する場合、どのように記載をすべ
きでしょうか。
Q44■ フレックスタイム制における労働時間の清算と時間管理
 1か月単位のフレックスタイム制において、実際の労働時間が単位期間の労働時間
に満たなかった場合、不足時間分の賃金を控除する旨の規定を設けることができます
か。また、不足時間分を次の清算期間の総労働時間に合算する旨の規定を設けること
はできますか。
Q45■ テレワークと事業場外みなし労働時間制
 テレワーク勤務者を適用対象とする事業場外みなし労働時間制を採用しようとする
場合、規定を設けるにあたってどのような点に留意すればよいですか。
Q46■ 時間外労働の事前許可制
 時間外労働を事前許可制とする定めを設けた場合、無許可での時間外労働について
割増賃金の支払をしなくて済みますか。
 また、事前許可制の手続等について規定で定めておく場合やその運用について、ど
のような点に留意すればよいですか。
Q47■ 管理監督者の定義
 管理監督者について就業規則で会社独自の定義を定めることに意味がありますか。
管理監督者に該当しない場合は管理職手当を返却してほしいのですが就業規則にその
旨定めることはできるでしょうか。

第 7章 休日・休暇
Q48■ 振替休日・代休の定め方
 振替休日と代休の違いはどこにありますか。また、これらの事項について、就業規
則に定める必要がありますか。就業規則に定める必要がある場合の注意点についても
教えてください。
Q49■ 所定休日と法定休日の区別と運用上の留意点
 就業規則において、所定休日と法定休日を区別しておいた方がよいですか。区別し
ておくことにより、同じ週のうち所定休日は休み、就業規則上の法定休日に労働した
場合、時間外労働ではなく休日労働として扱われることになりますか。
Q50■ 年休の承認・申請期限・時季変更
 年次有給休暇について使用者の承認が必要となる旨を就業規則で定めた場合、違法
になりますか。また、年次有給休暇について事前の申請期限を設ける場合、どの程度
前までにすることができますか。就業規則において申請期限を明確に定めることによ
って、当日や事後の申請を拒むことができるようになりますか。
 使用者からの時季変更については、あらかじめ時季変更する事由を規定に明確化し
ておくことで時季変更権の行使が認められやすくなりますか。
Q51■ 有給休暇の時季指定
 年次有給休暇の取得義務との関係で、使用者が希望日を聴取しても具体的な時季指
定をしない労働者に対して、使用者が一方的に時季指定をすることができる旨の規
定を設けることはできますか。使用者からの時季指定についての規定の定め方につい
て、どのような点に留意すればよいですか。
Q52■ 有給休暇の消化順序
 有給休暇の消化の順番を最近発生したものから順に消化したいのですが、その旨就
業規則に記載すれば適法でしょうか。

第 8章 育児・介護休業
Q53■ 育児・介護休業規程
 令和4年に改正育児・介護休業法が施行されましたが、厚生労働省のモデル規定を
そのまま用いてよいものでしょうか。会社で独自に定めた方がよい箇所はあるでしょ
うか。

第 9章 安全衛生・災害補目償 
Q54■ テレワーク規程の留意点
 テレワーク規程を設ける際に定めるべき内容について、どのような点に留意すれば
よいですか。テレワークから出社勤務に戻ることを拒否している労働者がいるのです
が、就業規則を用いて出社命令を出すことはできますか。
Q55■ 労働者への受診命令の可否及び診断書提出拒否に対する懲戒処分の可否
 体調不良が疑われる労働者に対して、医師への受診と診断書の提出を命ずることが
できる旨の規定を設けることはできますか。また、センシティブ情報であることなど
を理由に診断書の提出を拒む労働者がいる場合、そのような労働者に対して懲戒処分
をすることができる旨の規定を設けることはできますか。
Q56■ 職場入場禁止
 感染症が疑われる労働者や、自傷他害の危険のある労働者の会社施設内への入場を
禁止する旨の規定を設ける場合、どのような点に留意すればよいですか。
Q57■ 労災の上積み補償
 労働者の傷病について行政が業務起因性を認めたときに上積み補償をする旨の規定
を設けた場合、その規定に基づく補償をすれば労働者への損害賠償責任を免れること
になりますか。当然には損害賠償請求を免れられない場合、上積み補償をすることで
損害賠償責任を争えなくなってしまいますか。また、労働者が損害賠償請求をしない
ことに合意した場合にのみ上積み補償をするという定めを設けることはできますか。

第 10 章 賃  金
Q58■ 同一労働同一賃金の観点からの留意点
 いわゆる日本版同一労働同一賃金の観点から就業規則作成において留意すべき点は
ありますか。
Q59■ 同一労働同一賃金の観点からの制度変更
 いわゆる日本版同一労働同一賃金の観点から賃金制度を変えることがあると思いま
すが、どのような方法があるのか教えてください。
Q60■ 欠勤控除の定めの要否・定め方
 ノーワーク・ノーペイの原則の下、規定の定めがなくても、遅刻や欠勤があった場
合には賃金を控除することができますか。定めを設けた方がよい場合には、その留意
点を教えてください。
Q61■ 自宅待機期間中の賃金の取扱い
 就業規則に記載すれば自宅待機を無給扱いとすることはできますか。
Q62■ 休業手当に関する金額の定めと運用上の留意点
 経営不振等の休業の場合は平均賃金の6割以上を支払わなければならないとのこと
ですが、平均賃金の6割を支払う旨就業規則に定める必要はありますか。記載しない
場合は平均賃金の10割を支払わないといけないのでしょうか。
 また、就業規則に平均賃金の6割支給と記載しても10割支払わないといけない場合
もあるのでしょうか。
Q63■ 年俸制
 就業規則において、年俸制についての定めを設ける場合、どのような点に留意すれ
ばよいですか。
Q64■ 出来高給(歩合給)の定め方
 就業規則に出来高給(歩合給)を記載する場合、どのように定めればよいでしょう
か。また、注意点を教えてください。
Q65■ 割増賃金の算定基礎から除外される手当
 当社では、家族手当、通勤手当等の手当を支給しています。手当に関する就業規則
の定め方によっては、時間外労働や休日労働の割増賃金の額が高くなってしまうと聞
きました。どのような点に気をつければよいですか。
Q66■ 固定残業代の規定方法
 固定残業代について、少なくとも規定の文言上は不備の指摘を受けないようにして
おきたいと考えていますが、どのような点に留意すればよいですか。
Q67■ 固定残業代の引当時間・金額の定め方と差額清算
 固定残業代について規定で定めたものの、実際の残業代との差額を支払っていませ
ん。このような場合は固定残業代も無効になるのでしょうか。また、固定残業代を
支払う際に時間数や金額を明示しなければならないと聞いたのですが、本当でしょう
か。
Q68■ 固定残業代の相当時間数
 固定残業代について、何時間相当分まで定めることができるのでしょうか。
Q69■ 固定残業代の欠勤控除及び固定残業代の金額削減の留意点
 固定残業代について欠勤があれば控除して払いたいのですが、その旨規程に定めて
も問題はないでしょうか。また、固定残業代が実態と合わなくなってきて削減したい
のですが、どのように進めればよいでしょうか。

第 11章 不利益変更
Q70■ 就業規則の不利益変更についての個別同意
 就業規則の不利益変更について、労働者から個別に同意を得る必要がありますか。
同意を得る場合には、どのような点に注意すればよいですか。
Q71■ 就業規則の不利益変更の手続と留意点
 就業規則の不利益変更をする場合の手続について、どのような点に留意すればよい
ですか。
Q72■ 就業規則又は労働協約による不利益変更
 労働者に不利にもなり得る賃金制度の変更を行う場合、就業規則の変更だけを行う
場合と労働協約も併せて変更する場合とで、どのような違いがありますか。
Q73■ 成果主義型賃金制度への変更
 年功型の賃金制度から成果主義型の賃金制度に変更する場合、どのような点に留意
すればよいですか。
Q74■ 不利益変更における賃金減額割合
 賃金制度の変更によって賃金が減額する労働者がいる場合、どの程度の減額幅、減
額割合までなら裁判例で許容されていますか。
Q75■ 不利益変更における緩和措置
 就業規則の不利益変更の際に激変緩和のための経過措置を就業規則で定める場合、
どのような点に留意すればよいですか。

第 12章 懲  戒
Q76■ 懲戒事由の定めの要否・懲戒事由以外の懲戒規定の定め方
 ⑴  懲戒事由に具体的に該当する事由がない場合処罰できないのでしょうか。
 ⑵  就業規則には懲戒事由以外に懲戒に関する規定をどのように記載すればよいの
でしょうか。
Q77■ 懲戒事由及び懲戒処分の種類・内容
 懲戒事由及び懲戒処分の種類・内容について、どのように定めればよいですか。
Q78■ 懲戒処分の手続
 懲戒を行う手続について就業規則で定める必要はありますか。手続を就業規則で定
めた場合、手続を遵守していないことを理由として懲戒処分が無効になるのはどのよ
うな場合ですか。
Q79■ 懲戒解雇事由がある場合の退職金不支給条項
 懲戒解雇の場合は退職金を支給しないと就業規則に記載しても、実際は退職金を支
払わないといけない場合が多いと聞いたことがあります。どのような場合に懲戒解雇
でもどの程度の退職金を支払う必要があるのでしょうか。

第 13章 そ の 他
Q80■ 退職金返還請求の可否
 退職後に懲戒解雇相当事由が発覚した場合、就業規則上の根拠がなくとも退職金の
返還を請求できるのでしょうか。また、退職した後に退職金を支払う前に懲戒解雇相
当事由が発覚した場合、就業規則上の根拠がなくとも退職金を不支給にすることはで
きるでしょうか。
Q81■ 労働者に対する損害賠償請求
 労働者の故意又は重過失によって会社に発生した損害について、労働者が会社に対
して賠償責任を負う旨の規定を定めることができますか。また、退職者であっても賠
償責任を負う旨の規定を設けることはできますか。
Q82■ 資格取得費用等の貸付けと損害賠償の予定
 従業員に対して学資金や資格取得のための費用を貸し付けて、一定期間以上勤続し
た場合には返還義務を免除し、所定期間未満で退職した場合には貸付金を返還する旨
の規定を設けることはできますか。
  
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