青林書院



コンメンタール家事事件手続法


コンメンタール家事事件手続法
 
編・著者秋武憲一・片岡武 編著
判 型A5判
ページ数622頁
税込価格7,590円(本体価格:6,900円)
発行年月2021年10月
ISBN978-4-417-01822-3
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■解説
第鬼 第1条〜第158条
<家事事件の実務家による,家事事件の実務に携わる人たちのための解説書>
●家事事件を担当し家事法を適用した裁判実務家による逐条解説書
●条文の解釈だけではなく,実務で当面する課題や問題点についても明快に解説
●家事事件の実務に携わる者必携!


はしがき
 本書は,家事事件の実務家が家事事件手続法を逐条解説したもの(コンメンタール
)である。
 家事事件手続法の解説書には,すでに立法に携わった人たちによるもの,家事事件
の研究者を中心とした人たちによるものなどいろいろ公刊されている。
 本書の特色は,解説者が実際に家事事件を担当し,家事事件手続法を適用した裁判
官(現又は元)であること,想定する読者が家事事件の実務に携わる人たちであるこ
とにある。つまり,本書は,家事事件の実務家による,家事事件の実務に携わる人た
ちのための家事事件手続法の解説書である。
 法律の紛争解決機能は,具体的事件に法律を適用することでなしとげられる。法律
の適用は,その立法趣旨,つまり,どのような目的で立法されたのか,どのような制
度であるかを知らなければならない。そのためには,我が国のみならず,各国におけ
る同趣旨の制度とその来歴,解釈・運用の実際等を知る必要もある。
 他方,家事事件手続法は,民法等の実体法が定めた内容を実現するための手続を定
めた法律(手続法)であるから,これを適用するについては,実体法の立法や制度の
趣旨等をも理解しなければならない。
 本書の執筆者は,全員が家庭裁判所において,裁判官として家事事件を担当し,家
事事件手続法を適用している。実務家は,担当事件について,事案ごとに,事実を認
定し,適用する法律,適用した結果の具体的妥当性と一般的普遍性を検討する。これ
は容易ではない。そのため,ときに悩み,苦しむ。しかし,実務家がこうしたことを
繰り返すことで次第に実務ができあがるのである。
 本書においては,家事事件の実務家が,条文の解釈だけではなく,実務において当
面する課題や問題点をも含めて解説するようにした。家事事件の実務に携わる人たち
の解釈適用の一助にしてもらいたいからである。その目的が十分果たせたかは自信が
ないが,問題があるとすれば,それは,執筆担当者ではなく,編集担当者の力不足に
よるものである。
 執筆者は,その大半が東京家庭裁判所における執務をしながら執筆した。実務を担
当する者にとって最優先にすべきことは,担当する事件を迅速かつ的確に処理するこ
とである。本書は,こうした状況で,しかも,折からの新型コロナウイルス感染の蔓
延のさなかに執筆したものである。執筆者には,いろいろと苦労,苦心があったもの
と思われる。ここに編集者を代表して執筆者の皆様に感謝と敬意を表する次第である。
 なお,令和3年4月21日に民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)
が成立し,同月28日に公布された。これにより民法の一部が改正され,これにともな
って家事事件手続法のうち,相続人の不存在に関する審判事件,相続財産の保全に関
する処分の審判事件,遺産の分割の審判の申立て及び遺産の分割の調停の申立ての取
下げの制限等についての改正がされた。これらについては,改正された旨を明示した
が,詳細な解説はしていないことをお断りする。ちなみに,これに先立って平成30年
7月6日に民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)
が成立し,令和元年7月1日から施行されている。本書において改正法と記載してい
るのは,この平成30年法律第72号による改正のことである。
 本書の編集は,東京家庭裁判所で一緒に仕事をして以来,公私ともどもに親しくし
ている片岡武弁護士(元東京家庭裁判所部総括裁判官)とともに行った。片岡武弁護
士は,多忙であるにもかかわらず,執筆担当者の選定,全体の構成及び内容等の検討
を担当してくれた。大いに助けられ,また,励まされた。心からの感謝を申し上げる。
 同じく,東京家庭裁判所以来,家事事件の実務についての相談相手となってくれて
いる七尾聡書記官(元東京家庭裁判所家事首席書記官)には,同裁判所の総務課の皆
さんととともに統計数値をまとめていただいた。大変な作業であったと思われる。感
謝申し上げる。
 最後になったが,本書ができあがるについては,株式会社青林書院の長島晴美氏に
多大なる尽力を賜り,苦労をおかけした。氏の励まし,尽力がなければ,執筆者が多
数であり,しかも,コロナ禍の下での本書の出版はできなかった。心から感謝申し上
げる次第である。
  令和3年7月
編集者代表   秋武 憲一


編著者
秋武憲一:山梨学院大学法学部客員教授(元仙台家庭裁判所長)
片岡 武:弁護士(元東京家庭裁判所判事)

執筆者
(執筆順)
蘯菴人子:千葉地方裁判所判事
近藤ルミ子:弁護士(元東京家庭裁判所所長代行)
平城 恭子:東京地方裁判所判事
草野 真人:仙台家庭裁判所長
國分 隆文:東京地方裁判所判事
下澤 良太:東京地方裁判所判事
細矢  郁:東京家庭裁判所判事
松谷 佳樹:静岡地方・家庭裁判所浜松支部長判事
浅岡千香子:宇都宮地方裁判所判事
村井みわ子:横浜地方・家庭裁判所川崎支部判事
島田壮一郎:熊本家庭裁判所八代支部判事補
眈譟‖臙蓮大阪地方裁判所岸和田支部判事
渡辺 健一:札幌高等裁判所判事
吉田純一郎:東京高等裁判所判事
大島 淳司:元東京家庭裁判所判事
藤枝 祐人:静岡家庭・地方裁判所判事補
中井 彩子:裁判所職員総合研修所教官
楠 真由子:松山地方裁判所判事補
小西 俊輔:札幌地方裁判所判事
香川 礼子:横浜地方裁判所判事
山田 一哉:東京地方裁判所判事
水野 有子:広島家庭裁判所長
田野倉真也:東京地方裁判所判事
數間  薫:水戸地方・家庭裁判所麻生支部判事
關 隆太郎:東京地方裁判所判事
神野 律子:東京高等裁判所判事
山城  司:長野地方・家庭裁判所松本支部長判事
寺田さや子:松山地方裁判所判事
(2021年6月末日現在)


■書籍内容
序 章 家事事件手続法の概要
第1編 総  則
第1章 通  則
第1条(趣旨)
第2条(裁判所及び当事者の責務)
第3条(最高裁判所規則)
第1章の2 日本の裁判所の管轄権
総  論
第3条の2(不在者の財産の管理に関する処分の審判事件の管轄権)
第3条の3(失踪の宣告の取消しの審判事件の管轄権)
第3条の4(嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件の管轄権)
第3条の5(養子縁組をするについての許可の審判事件等の管轄権)
第3条の6(死後離縁をするについての許可の審判事件の管轄権)
第3条の7(特別養子縁組の離縁の審判事件の管轄権)
第3条の8(親権に関する審判事件等の管轄権)
第3条の9(養子の離縁後に未成年後見人となるべき者の選任の審判事件
      等の管轄権)
第3条の10(夫婦,親子その他の親族関係から生ずる扶養の義務に関する
      審判事件の管轄権)
第3条の11(相続に関する審判事件の管轄権)
第3条の12(財産の分与に関する処分の審判事件の管轄権)
第3条の13(家事調停事件の管轄権)
第3条の14(特別の事情による申立ての却下)
第3条の15(管轄権の標準時)

第2章 管  轄
第4条(管轄が住所地により定まる場合の管轄権を有
する家庭裁判所)
第5条(優先管轄)
第6条(管轄裁判所の指定)
第7条(管轄権を有する家庭裁判所の特例)
第8条(管轄の標準時)
第9条(移送等)

第3章 裁判所職員の除斥及び忌避
第10条(裁判官の除斥)
第11条(裁判官の忌避)
第12条(除斥又は忌避の裁判及び手続の停止)
第13条(裁判所書記官の除斥及び忌避)
第14条(参与員の除斥及び忌避)
第15条(家事調停官の除斥及び忌避)
第16条(家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥)

第4章 当事者能力及び手続行為能力
第17条(当事者能力及び手続行為能力の原則等)
第18条(未成年者及び成年被後見人の法定代理人)
第19条(特別代理人)
第20条(法定代理権の消滅の通知)
第21条(法人の代表者等への準用)

第5章 手続代理人及び補佐人
第22条(手続代理人の資格)
第23条(裁判長による手続代理人の選任等)
第24条(手続代理人の代理権の範囲)
第25条(手続代理人の代理権の消滅の通知)
第26条(手続代理人及びその代理権に関する民事訴訟法
の準用)
第27条(補佐人)

第6章 手続費用
第1節 手続費用の負担
第28条(手続費用の負担)
第29条(手続費用の負担の裁判等)
第30条(手続費用の立替え)
第31条(手続費用に関する民事訴訟法の準用等)
第2節 手続上の救助
第32条

第7章 家事事件の審理等
第33条(手続の非公開)
第34条(期日及び期間)
第35条(手続の併合等)
第36条(送達及び手続の中止)
第37条(裁判所書記官の処分に対する異議)

第8章 電子情報処理組織による申立て等
第38条

第2編 家事審判に関する手続
第1章 総  則
第1節 家事審判の手続
第1款 通  則
第39条(審判事項)
第40条(参与員)
第41条(当事者参加)
第42条(利害関係参加)
第43条(手続からの排除)
第44条(法令により手続を続行すべき者による受継)
第45条(他の申立権者による受継)
第46条(調書の作成等)
第47条(記録の閲覧等)
第48条(検察官に対する通知)
第2款 家事審判の申立て
第49条(申立ての方式等)
第50条(申立ての変更)
第3款 家事審判の手続の期日
第51条(事件の関係人の呼出し)
第52条(裁判長の手続指揮権)
第53条(受命裁判官による手続)
第54条(音声の送受信による通話の方法による手続)
第55条(通訳人の立会い等その他の措置)
第4款 事実の調査及び証拠調べ
第56条(事実の調査及び証拠調べ等)
第57条(疎明)
第58条(家庭裁判所調査官による事実の調査)
第59条(家庭裁判所調査官の期日への立会い等)
第60条(裁判所技官による診断等)
第61条(事実の調査の嘱託等)
第62条(調査の嘱託等)
第63条(事実の調査の通知)
第64条(証拠調べ)
第5款 家事審判の手続における子の意思の把握等
第65条
第6款 家事調停をすることができる事項についての家事審判の手続の特則
第66条(合意管轄)
第67条(家事審判の申立書の写しの送付等)
第68条(陳述の聴取)
第69条(審問の期日)
第70条(事実の調査の通知)
第71条(審理の終結)
第72条(審判日)
第7款 審 判 等
第73条(審判)
第74条(審判の告知及び効力の発生等)
第75条(審判の執行力)
第76条(審判の方式及び審判書)
第77条(更正決定)
第78条(審判の取消し又は変更)
第79条(審判に関する民事訴訟法の準用)
第79条の2(外国裁判所の家事事件についての確定した裁判の効力)
第80条(中間決定)
第81条(審判以外の裁判)
第8款 取下げによる事件の終了
第82条(家事審判の申立ての取下げ)
第83条(家事審判の申立ての取下げの擬制)
第9款 高等裁判所が第一審として行う手続
第84条
第2節 不服申立て
第1款 審判に対する不服申立て
第1目 即時抗告
第85条(即時抗告をすることができる審判)
第86条(即時抗告期間)
第87条(即時抗告の提起の方式等)
第88条(抗告状の写しの送付等)
第89条(陳述の聴取)
第90条(原裁判所による更正)
第91条(抗告裁判所による裁判)
第92条(原審の管轄違いの場合の取扱い)
第93条(家事審判の手続の規定及び民事訴訟法の準用等)
第2目 特別抗告
第94条(特別抗告をすることができる裁判等)
第95条(原裁判の執行停止)
第96条(即時抗告の規定及び民事訴訟法の準用)
第3目 許可抗告
第97条(許可抗告をすることができる裁判等)
第98条(即時抗告等の規定及び民事訴訟法の準用)
第2款 審判以外の裁判に対する不服申立て
第99条(不服申立ての対象)
第100条(受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対する異議)
第101条(即時抗告期間等)
第102条(審判に対する不服申立ての規定の準用)
第3節 再  審
第103条(再審)
第104条(執行停止の裁判)
第4節 審判前の保全処分
第105条(審判前の保全処分)
第106条(審判前の保全処分の申立て等)
第107条(陳述の聴取)
第108条(記録の閲覧等)
第109条(審判)
第110条(即時抗告)
第111条(即時抗告に伴う執行停止)
第112条(審判前の保全処分の取消し)
第113条(即時抗告等)
第114条(調書の作成)
第115条(民事保全法の準用)
第5節 戸籍の記載等の嘱託
第116条

第2章 家事審判事件
成年後見制度総論(成年後見・保佐・補助共通)
第1節 成年後見に関する審判事件
別表第1の1項から16の2項までの事件の意義
第117条(管轄)
第118条(手続行為能力)
第119条(精神の状況に関する鑑定及び意見の聴取)
第120条(陳述及び意見の聴取)
第121条(申立ての取下げの制限)
第122条(審判の告知等)
第123条(即時抗告)
第123条の2(陳述の聴取の例外)
第124条(成年後見の事務の監督)
第125条(管理者の改任等)
第126条(後見開始の審判事件を本案とする保全処分)
第127条(成年後見人の解任の審判事件等を本案とする保全処分)
第2節 保佐に関する審判事件
別表第1の17項から35項までの事件の意義
保佐事件の審判(別表第1の17項から35項まで共通)
第128条(管轄)
第129条(手続行為能力)
第130条(陳述及び意見の聴取)
第131条(審判の告知)
第132条(即時抗告)
第133条(成年後見に関する審判事件の規定の準用)
第134条(保佐開始の審判事件を本案とする保全処分)
第135条(保佐人の解任の審判事件等を本案とする
保全処分)
第3節 補助に関する審判事件
別表第1の36項から54項までの事件の意義
補助事件の審判(別表第1の36項から54項まで共通)
第136条(管轄)
第137条(手続行為能力)
第138条(精神の状況に関する意見の聴取)
第139条(陳述及び意見の聴取)
第140条(審判の告知)
第141条(即時抗告)
第142条(成年後見に関する審判事件の規定の準用)
第143条(補助開始の審判事件を本案とする保全処分)
第144条(補助人の解任の審判事件等を本案とする保全処分)
第4節 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件
総  論
第145条(管轄)
第146条(管理人の改任等)
第147条(処分の取消し)
第5節 失踪の宣告に関する審判事件
第1款 失踪の宣告の審判事件
第148条
第2款 失踪の宣告の取消しの審判事件
第149条
第6節 婚姻等に関する審判事件
総  論
第150条(管轄)
第151条(手続行為能力)
第152条(陳述の聴取)
第153条(申立ての取下げの制限)
第154条(給付命令等)
第155条(共有財産の分割)
第156条(即時抗告)
第157条(婚姻等に関する審判事件を本案とする保全処分)
第158条(夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判事件を
     本案とする保全処分)

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