青林書院



データ利活用とプライバシー・個人情報保護


データ利活用とプライバシー・個人情報保護
 
編・著者渡邊 涼介 著
判 型A5判
ページ数328頁
税込価格4,510円(本体価格:4,100円)
発行年月2020年04月
ISBN978-4-417-01791-2
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■解説
 データ利活用とプライバシー・個人情報保護の両立をどう進めるか!
●IoT,AI,カメラ画像,位置情報,購買データ,フィンテック,情報
 銀行,ブロックチェーン等,企業が対応を迫られる最新課題を網羅!
●「利活用」と「保護」の両視点から,実務のポイントと具体的取組を詳説!
●令和2年個人情報保護法改正に対応!


はしがき
 技術の進展とともに,データの利活用は加速度的に進んできている。IoTの対象
範囲は広がり,家庭内における会話を含めた,プライベートな行動まで取得する
ことが可能となっている。さらに,AIに関する議論は着実に進められ,国際会議
では,アイザック・アシモフのロボット工学3原則を想起させる議論が真剣に検
討されている。
 これに対し,データ利活用の広がりとともに,プライバシー・個人情報に関す
る取扱いが問題となる事例も増えてきている。GAFA(Google,Apple,Facebook,
Amazon)を中心としたグローバル企業に対して,世界中で,プライバシー保護を
重視すべきという世論が沸き起こっている。日本国内でも,個人情報保護法を形
式的に順守するだけでは,情報の取扱いとして不十分と考えられるようになって
きており,また,企業は3年ごとの同法改正の度に,新たな対応を必要とされて
いる。
 海外との情報のやりとりについては,電気通信技術などの発達でハードルが下
がり,国内と同様のやりとりが可能となっているが,データローカライゼーショ
ンなどの動きにより,越境した情報のやりとりが困難になる場合が出てきており,
ビジネスへの影響を注視していく必要がある。
 本書は,上記のような現在のデータ利活用とプライバシー・個人情報保護を取
り巻く状況を踏まえ,どのようにすれば,データ利活用とプライバシー・個人情
報保護を両立できるかについて,指針を示すものである。
 本書の特徴としては,次の4点が挙げられる。
 .如璽人活用を軸に,実現に必要となる保護方法を検討する視点に立つ。
 個人情報保護の観点から守るべきことを記載した書籍は多いが,参考にしても,
利活用を止めてしまう結果になってしまうことも多い。本書では,何をどこまで
重視すべきかを意識して記載した。
 ▲廛薀ぅ丱掘縞欷遒法じ朕余霾麒欷遒汎瑛佑僚鼎を置いている。
 個人情報保護法は,プライバシー保護と基本的な考え方が同じであり,むしろ,
個人情報保護法を実質的に順守するには,プライバシー保護をふまえて,立体的
に理解する必要がある。民事訴訟になった場合には,プライバシー侵害として許
されるかが基準となるため,企業の対応としては,個人情報保護だけでなく,プ
ライバシー保護を基準とする必要がある。
 最新のビジネス・技術,法制度に言及している。
 すでに述べたように,データに関するビジネス・技術は,日進月歩であり,数
年で状況が大きく変わることは珍しくない。本書では,IoT,AIのほか,スマート
スピーカー,ブロックチェーンなどにも,言及している。他国を含めた法制度も
めまぐるしく変わっており,常に注視していく必要がある。本書では,令和2年
個人情報保護法改正法案にも対応している。
 ぜ駄海罵用する際に使いやすくするため,できる限り各項目(事例)の記述
内容を見開き2頁,4頁でコンパクトにまとめて見やすくし,さらに,解説を補
助するための図表も多数用いている。
 2018年に上梓した『企業における個人情報・プライバシー情報の利活用と管理
』と比較すると,より「実務」で参考としやすい形としたものといえる。当然な
がら,筆者の考えが深まった部分もあるほか,同書作成時からのビジネスや議論
の発展についても補完している。本書だけでも利用可能であるが,前著も参考に
していただくことで,より深みのある思考が可能となる。
 筆者は,日本企業におけるデータ利活用が進むように,微力ながら貢献してき
た思いはあるが,まだまだ不十分という思いは強い。データ利活用とプライバシ
ー・個人情報保護がゼロサムの関係ではなく,むしろ,データ利活用を進めるた
めには,プライバシー・個人情報保護についても,しっかり取り組む必要がある
ことをお伝えしたい。なお,執筆内容は,筆者の私見であり,所属していた組織
の見解ではないことを念のため付記する。
 末筆ながら,任期付公務員終了後も,変わらぬご厚情を賜っている,総務省総
合通信基盤局をはじめとする官公庁の皆様,会議体の構成員の先生方,会議体を
支えておられる皆様に,心より御礼申し上げる。最後に,本書のコンセプトを提
示いただくとともに,企画から完成に至るまで進行を支え,度重なる修正にご対
応いただいた青林書院編集部の森敦氏に,改めて,深く御礼申し上げる。

 令和2年3月
 渡邊 涼介


渡邊 涼介:弁護士(光和総合法律事務所)
   
−お奨めの関連する書籍−

企業における個人情報・プライバシー情報の利活用と管理
編・著者:渡邊 涼介 著
発行年月:2018年04月
税込価格:4,730
在庫:有り



■書籍内容
第1章 概 説
データ利活用とプライバシー・個人情報保護に関する近時の流れ
《要点解説 侫妊献織襦Ε廛薀奪肇侫ーム規制

第2章 基本事例に関する検討
第1節 個人情報の基本的な取扱い
[1]個人情報とは何か
[2]個人情報保護法の概要と取扱場面
[3]個人情報の種類
《要点解説◆娶朕余霾鵑箸
[4]個人情報保護法の体系
《要点解説》個人情報保護法の3年ごと見直し
第2節 プライバシー情報の取扱い
[1]プライバシー保護の考え方
[2]情報の取扱いとプライバシー侵害の程度
[3]プライバシー保護方法の採用
[4]個人情報とプライバシー情報の関係
《要点解説ぁ侫廛薀ぅ丱掘爾領鮖
[5]生体情報
[6]子どものデータ
[7]透明性
第3節 事前検討(制度設計)
[1]事前検討(制度設計)の方法,マルチステークホルダー・プロセス
[2]自社の管理するデータの調査(データマッピング)
[3]利用目的の特定(法15条)
[4]プライバシー・バイ・デザイン
[5]プライバシー影響評価
[6]実施前の手法(事前告知,アンケートなど)
第4節 取 得…60
[1]情報の取得段階におけるプライバシー保護手段・データ最小化
[2]利用目的の通知・公表(法18条)
[3]同意取得(法16条・17条・23条・24条)
〈コラム 啼碓媼萋世論簑个
[4]プライバシーポリシー・利用規約の作成・変更
[5]アプリケーションによる情報取得
第5節 利 用
[1]情報の利用
[2]プロファイリング
第6節 管 理
[1]安全管理措置(法20条)
[2]セキュリティ上求められる対応,DPOの設置,データの消去
[3]従業者の監督(法21条)
[4]委託先の監督(法22条)
[5]クラウドサービス,システムの外部保守の利用
[6]漏えい報告・個人情報保護法の執行
第7節 第三者提供
[1]第三者提供の考え方(法23条)
[2]委託,共同利用の注意点
[3]違法な第三者提供に該当しないかの注意点
[4]確認,記録義務(法25条・26条)
[5]匿名加工情報
[6]統計情報
[7]データ移転に関する企業間の契約
第8節 本人対応
[1]本人対応の全体像,忘れられる権利
[2]開示請求等に対する対応
[3]データポータビリティ
〈コラム◆啾荵絢堋鷆,梁仂櫃板鷆\茲任陵用
[4]ダッシュボードの利用
第9節 その他
[1]認定個人情報保護団体とデータ利活用
[2]個人情報とマイナンバーの違い
〈コラム〉データは誰のものか

第3章 データの種類に応じた利活用
第1節 IoT,ビッグデータ
[1]IoT,ビッグデータ,AIの概要
[2]センサーによる情報取得(IoT)
[3]異なる企業間でのビッグデータの相互利用
[4]限定提供データ
第2節 AI
[1]AIとは
[2]人事(採用,評価,マッチング)におけるAIの利用
[3]AIスコアリング
[4]AIに関する契約と個人情報・プライバシー保護
第3節 カメラ画像情報
[1]カメラ画像情報の特徴
《要点解説ァ侫メラ画像情報と位置情報との比較
[2]カメラ画像の利活用
[3]カメラ画像情報を利用した属性分析
[4]カメラ画像情報を利用したリピート分析
[5]会員カードとの連携,他の事業者との共有
[6]無人店舗の運営
[7]ドライブレコーダー画像の利用
[8]防犯カメラ
[9]ドローンの利用
第4節 音声データ
[1]スマートスピーカーの仕組み
[2]スマートスピーカーを利用したビジネスとプライバシー・個人情報保護
[3]Skillの提供
第5節 住居データ
[1]HEMSデータの利活用
[2]事業者間の連携
第6節 コミュニケーションロボット
[1]コミュニケーションロボットの利用
第7節 位置情報
[1]位置情報の概要
[2]位置情報の特性
《要点解説Α娑銘崗霾鵑噺朕余霾鶻催性
[3]位置情報に関する法的規制
[4]通信の秘密に係る位置情報
[5]通信の秘密
[6]GPS位置情報の利用
[7]見守りサービスの提供
[8]Wi-Fi位置情報の利用
第8節 視聴データ
[1]視聴データ
第9節 ウェアラブルデバイス
[1]リストバンド型端末を利用したヘルスケアデータの取得
第10節 自動車
[1]自動車プローブデータの利活用,自動運転

第4章 データの利用分野に応じた利活用
第1節 顧客分析
[1]購買データと他のデータの連携
[2]共通ポイントサービスの提供
[3]クレジットカード情報の利活用
第2節 インターネット・広告
[1]Cookieとは
[2]ターゲティング広告とは
《要点解説АFacebookソーシャルプラグイン問題
第3節 医 療
[1]医療データの取扱い
[2]次世代医療基盤法
第4節 フィンテック(Fintech)
[1]フィンテック(Fintech)とデータ利活用
[2]QRコード決済
[3]口座情報の利用(API連携)
第5節 旅 行
[1]インバウンド情報
[2]訪日外国人旅行者のデータ共有
第6節 シェアリングエコノミー
[1]シェアリングエコノミー
第7節 人材管理
[1]労務管理を目的とした従業員からの情報取得
[2]従業員の健康情報等の取扱い
[3]安全管理措置を目的とした従業員情報の取扱い
[4]利活用を目的とした従業員からの情報取得

第5章 データ流通における利活用
第1節 情報銀行,パーソナルデータストアの利用
[1]情報銀行等とパーソナルデータエコシステム
[2]パーソナルデータストア(PDS)
[3]情報銀行機能を提供したい
[4]情報銀行へのデータ提供
[5]データ取引市場への提供
第2節 ブロックチェーン
[1]ブロックチェーンとは
[2]許可不要型ブロックチェーンと個人情報保護
[3]許可必要型ブロックチェーンと個人情報保護
[4]ブロックチェーンとプライバシー保護
第3節 国際的なデータ流通に関する基本的な枠組み
[1]プライバシーをめぐる国際的な動向,データローカライゼーション
[2]GDPRとeプライバシー規則
[3]EUから日本へのデータ移転
[4]日本から外国へのデータ移転
[5]EU域内に拠点がない日本企業におけるGDPR適用

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