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土地賃貸借の法律相談


最新青林法律相談


土地賃貸借の法律相談
 
編・著者西村 康正・濱口 博史編
判 型A5判
ページ数400頁
税込価格5,280円(本体価格:4,800円)
発行年月2019年09月
ISBN978-4-417-01779-0
在庫有り
  
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■解説
土地賃貸借おける必携の実務書!
土地賃貸借に関する紛争解決に必要な法律知識・実務を最新の裁判例の動向と合
わせてわかりやすく解説!
2020年4月1日施行の改正債権法に対応!


はしがき
本書の前身でもある「借地・借家の法律相談」は,平成8年3月,青林書院から
出版されました。同書は,当時の東京弁護士会不動産法部部長の賀集唱先生を中
心として,平成4年8月1日から施行された借地借家法を意識して成ったものでし
た(平成12年に補訂版がだされました。)。その後,同書の借家の部分について
は,法改正や経済・社会の状況の変化にあわせるかたちで,平成20年9月,新青
林法律相談シリーズ「マンション・オフィスビル賃貸借の法律相談」として,全
面的に新しいかたちで出版しなおされました。対して,「借地・借家の法律相談
」の借地の部分は長らく改訂されてきませんでした。そこで,今回,本書の出版
の運びとなったものです。
本書の執筆者は,主に東京弁護士会不動産法部のメンバーです。この点でも「借
地・借家の法律相談」「マンション・オフィスビル賃貸借の法律相談」を引き継
ぐかたちとなっております。なお,賀集先生は,「マンション・オフィスビル賃
貸借の法律相談」編集作業のさなかに急逝され,本書の企画を見ること自体でき
ませんでしたが,「借地・借家の法律相談」における先生の精神は引き継いでい
るのではないかと考えております。
 本書は,「借地・借家の法律相談」以降の法律の改正,裁判例の集積のみなら
ず,令和2年4月1日からの債権法改正の施行にも対応したものとなっております。
出版社には,大変お世話になりました。この場を借りて深く御礼を申し上げます。
令和元年8月
編者 弁護士 西村 康正
   弁護士 濱口 博史


編  者
西村 康正:(弁護士 西村康正法律事務所)
濱口 博史:(弁護士 濱口博史法律事務所)

執 筆 者
濱口 博史(上掲)
林   毅:(弁護士・中小企業診断士 リーガルキュレート総合法律事務所)
小石川 哲:(弁護士 小石川総合法律事務所)
出口 裕規:(弁護士 ユウキ法律事務所)
大植 幸平:(弁護士 鈴木武志法律事務所)
松井 伸介:(弁護士 五街道法律事務所)
佐々木好一:(弁護士 田中・石原・佐々木法律事務所)
岡 和子:(弁護士 真和総合法律事務所)
渡瀬  耕:(弁護士 吉川総合法律事務所)
伊藤健一郎:(弁護士 東京晴和法律事務所)
後藤  啓:(弁護士 はなみずき法律事務所)
西村 康正:(上掲)
岡部 眞也:(弁護士 丸ノ内眞法律事務所)
新  英樹:(弁護士 久米法律事務所)
関  友利:(不動産鑑定士 株式会社関不動産鑑定事務所)
堀地 正則:(税理士 堀地正則税理士事務所)
(執筆順,所属・肩書は本書刊行時)






■書籍内容
第1章 借地契約締結時に注意すべきこと
Q1貸主・借主の特定
 私の父の時代に土地を賃貸しました。期限がきたので,改めて賃貸借契約書を見ま
 すと,契約書のはじめの部分に,借地権者はAという個人名で書かれていました。
 最後の借地権者の署名欄にもAの氏名が書かれていました。印も個人のものが押され
 ています。しかし,賃料の振込みは,株式会社B名義で行われています。株式会社B
 の代表取締役はAです。借地権者は個人と考えたらよいのでしょうか。会社と考えた
 らよいのでしょうか。契約の当事者は誰でしょうか。
Q2借地権者の属性
 土地を貸すため仲介業者に入ってもらい不動産の借り手を探していたところ,是非
 借りたいという方が現れました。しかし,いろいろ調べてみたところ,その方はど
 うも暴力団に関係しているようです。その希望者に貸さないということは許される
 のでしょうか。逆に,その希望者は資力があり,暴力団員であろうともその方に貸
 したいと考えているのですが,何か問題はあるのでしょうか。
 また,既に土地を貸していたのですが,借地権者が暴力団関係者と判明した場合,
 賃貸借契約を解除することはできるでしょうか。
Q3契約書の要否と作成
 借地契約を締結する際には,必ず契約書を作成する必要があるのでしょうか。
 その他,借地契約書を作成する際,借地契約書の様式・内容について注意すべき点
 はありますか。
Q4借地の特定
 私は,ある借地権設定者から25坪ほどの土地を借地していますが,その借地権設定
 者は大地主で,登記簿上の一筆の土地の面積が800坪以上もあります。その土地の
 一部を借りているということです。この度,借地権を売りに出そうと思ったのです
 が私の借りている土地の範囲はどのように特定したらよいのでしょうか。
Q5借地権の成否
 私の事案では以下の経緯がありますが,借地権が成立するでしょうか。
 ⑴乙は甲所有の土地(本件土地)を中古車の展示販売を行うためとして賃借しまし
  た。契約書には,特約条項として,「契約当事者双方の合意の上,事務所用の仮
  設建物の構築を認めるも保存登記をなさぬこと。」が明記されていました。
  なお,契約期間は2年で,賃料は一時貸し地代の相場でした(敷金・権利金の授
  受もなされていませんでした)。
 ⑵契約締結後,乙は,プレハブ構造の展示販売用の事務所(建物A)と,トタン張
  りでコンクリートの土台にボルト10か所で留めた整備工場(建物B)を建てまし
  た(これらの敷地面積は,借地面積全体の数パーセント)。
Q6借地契約における建物
 土地を借りて平面駐車場の経営を行っていましたが,契約期間が満了することを理
 由に,地主から立退きを求められました。立ち退かなければならないのでしょうか。
 立体駐車場の場合はどうでしょうか。

第2章 旧法の借地法と新法の借地法
Q7旧法と新法における存続期間の定め
 親の代から借地権設定者の地位を引き継ぎ,これまで地代をいただいてきましたが,
 そろそろ子に譲ることも考えなければいけない年齢になりました。そこで,賃貸借
 契約を見直し始めましたが,何十年も前に交わした契約書しかなく,既に契約期間
 が経過していたり,内容がばらばらであったりします。これを機に改めて契約書を
 整えたいと思いますが,既に借地に関する法律も改正されたようです。そこで,旧
 法と新法で存続期間の点でどのような違いがあり,旧法と新法のどちらが適用され
 るのでしょうか。また,新法に基づく契約に切り替えることはできるのでしょうか。
Q8再築後の借地契約の帰趨,借地条件の変更,増改築
 私は昭和53年に建物所有の目的で本件土地を借りました。特に契約書は作成してい
 ません。私は当初,木造2階建ての建物を建てましたが,その後,平成6年に家族
 が増えましたので,従前の木造2階建て建物を取り壊し同土地上に2世帯用の鉄筋コ
 ンクリート陸屋根構造の3階建て建物を建てることにしました。このような状況で,
 借地権設定者の承諾を得て建て替える場合と,借地権設定者の承諾を得ずに建て替
 える場合で,それぞれ借地契約の帰趨,存続期間はどのようになりますか。
Q9三種の定期借地権
 私の所有している土地には現在借地権者がいませんので,借地に出したいと思って
 いるのですが,一定期間を経過した後には確実に返ってくるようにしたいと思って
 います。その場合の方法として,定期借地権というものがあると聞きましたが,こ
 れは普通の借地権とどのような違いがあるのでしょうか。また,定期借地権にはど
 のような種類のものがあるかについても併せて教えてください。
Q10建物譲渡特約付借地権
  不動産業者から,土地上にアパートを建てて利用したいので私の所有している土地
  を借地したいとの提案がありました。私としては,一定期間経過後には確実に土地
  を返してもらいたいと思っていますが,他方,土地上に建築されたアパートは今後
  利用できそうなので借地契約終了の際にはそれもほしいと思っています。
  この場合に建物譲渡特約付借地権というものを設定すればよいといわれたのですが,
  これはどういったものでしょうか。またこの場合,どのような手続が必要となるの
  でしょうか。
Q11事業用定期借地権
  私は,郊外に大きな土地を所有しているのですが,最近,ハウスメーカーから住宅
  展示場としてこの土地を貸してほしいとの依頼がありました。私は,将来,この土
  地に倉庫を建てようと思っていたので,15年後に間違いなく返してもらえるのであ
  れば貸してもよいと思っています。そのような契約は可能でしょうか。また,契約
  をする場合,どのような点に気をつければよいのでしょうか。

第3章 特殊な賃貸借契約と賃貸借類似の契約,地上権との差
Q12建物所有を目的とする地上権と賃借権
  建物所有を目的とする地上権と賃借権とはどう違うのでしょうか。
Q13借地契約の存続期間
  住居を建てるために,土地を借りようと思うのですが,期間を定めなかった場合,
  賃貸期間は何年になりますか。最短期間を定めるとしたら,何年にすればよいでし
  ょうか。定期賃貸借の場合はどうですか。最長期間を定めるとしたら,何年にすれ
  ばよいでしょうか。定期賃貸借の場合はどうですか。ガソリンスタンドを建てるた
  めに土地を借りる場合はどうでしょうか。

第4章 土地賃貸借契約と金銭
Q14契約地積と実測地積が異なる場合に,地代を減額してもらえるか
  私が借りている土地の契約上の地積が,実際に使用している借地部分より広いので
  すが,その場合,地代を減額してもらうことは可能でしょうか。
Q15地代の催促
  土地を貸している者です。借地権者は,地代の支払がとどこおりがちで困っていま
  す。今までで2年分の地代が未払となってしまいました。そこで,今回内容証明郵
  便で地代の請求をしたのですが,保管期間経過との理由で戻ってきてしまいました。
  どうすればよいでしょうか。
Q16地代増額請求への対処
  私は借地の上に自分の建物を建てて住んでいます。これまで地代の支払は一度も怠
  ったことはありません。最近借地権設定者から地代を増額する通知がきましたが,
  増額幅があまりに大きかったため話合いをしたものの借地権設定者は全く譲らず話
  がまとまりません。このような場合,どれくらい地代を納めればよいのでしょうか。
  また,借地権設定者が地代の受取りを拒否した場合はどうしたらよいですか。
Q17地代増額のための要件と手続
  私の先代の頃からの借地の地代が昭和50年頃から据え置かれています。この土地は
  山手線内にあり,昭和50年当時より地価が上昇していることは間違いなく地代を値
  上げしたいと思います。どのような手順で借地人に請求したらよいでしょうか。
Q18賃料増額請求――裁判確定前に支払った賃料の過不足分の処理
  地代が坪当たり500円,借地面積が30坪の借地を所有しています。父の代からの借地
  で,これまでなかなか増額請求ができませんでした。近隣は坪あたり1000円程度の地
  代が多いため,坪あたり1000円に増額するよう借地権者に通知しました。すると借地
  権者は坪800円の割合までの増額を認めて同額の支払を続けています。しかし私はこの
  額に納得がいかず法的措置を執りたいと思いますが,万が一裁判で現在の支払額より
  低い,例えば700円が相当とされた場合,もらい過ぎとなった100円は返還しなければ
  ならないのでしょうか。
  また,800円より高い額が認められた場合はどうなるのでしょうか。
Q19借地借家法適用外の土地賃貸借と地代減額請求
  当社は昭和60年から栃木でゴルフ場を経営する目的で土地を借りています(その一角
  に当社が土地を買い取り,クラブハウスを建てています。)。平成10年頃,一度地代
  を下げてもらったのですが,その後も経営が思わしくなく,地代の減額をお願いした
  いのですが,可能でしょうか。
Q20敷金・保証金・権利金・礼金
  定期借地という制度ができたと聞きました。普通定期借地権を設定した場合には,50
  年経過すれば必ず更地にして土地を返してもらえるということでした。私も今回,自
  分の所有している土地を貸すに際して,この定期借地を利用しようと思っています。
  ところで,借地をする際には権利金や保証金などの名目で借地権者から一定程度のお
  金をいただくことがあると聞いています。定期借地の場合にも,これらのお金をいた
  だいた方がよいのでしょうか。また,これらのお金はどのような違いがあるのでしょ
  うか。

第5章 貸主の交代
Q21貸主の交代―対抗力❶
  BがAから建物所有目的で土地を借り,その土地上に建物を建築していましたが,Aが
  上記土地をCに譲り渡しました。CはBに建物収去土地明渡請求をすることができるの
  でしょうか。
  〃物登記簿上は70番地の敷地に建物があったことになっていましたが,実際は71番
  地の敷地に建物があった場合はどうでしょうか。
  登記名義をBの息子D名義にしていた場合はどうでしょうか。
Q22貸主の交代―対抗力❷
  BはAから建物所有目的で土地を借り,その土地上に建物を建築しB名義で登記していま
  したが,その建物が類焼により滅失してしまいました。Bは建物を再築しようとしてい
  たところ,Aから土地を譲り受けたCから明渡しを求められました。BはCの明渡請求に
  応じなくてはならないのでしょうか。

第6章 更新・更新拒絶・正当事由・立退料・更新料
Q23更新しない旨の合意
  私は,建物所有目的の借地の借主の相続人です。このたび,借地の期限が近づいてき
  たのですが,借地権設定者が,更新しない特約がついているので,更新はしないと主
  張してきました。このようなことは許されるのでしょうか。
Q24更新請求等に対する対抗方法
  私は,広い土地を建物所有目的で貸しております。借地契約の更新の時期が近づいて
  きました。私としては,更新拒絶事由があると考えております。手続としては,どの
  ような方法がありますか。また,なにを検討しなければなりませんか。
Q25借地契約における正当事由・立退料❶
  30坪ほどの土地を賃貸しています。私の父の時代に賃貸したものです。借地上の建物
  に住んでいた借地権者は1人住まいでしたが,老齢で,老人ホームに入居するようで
  す。借地権者の子どもは,独立して,県外に住んでいます。
  私は賃貸マンション住まいですが,その借地の隣地の約30坪の土地上に私の母の住ま
  いがあり,1人で住んでいます。他に土地はありません。今年,賃貸借契約が期間満了
  となるので,明け渡してもらって,スープの冷めない距離に家を建てて,母の面倒を
  看ようと思っていますが,この場合明渡しに立退料は必要でしょうか。
Q26借地契約における正当事由・立退料❷
  私は土地100坪を所有し,その土地のうち70坪を自分の仕事の工場の敷地に使い,残り
  30坪を約40年前から借地にして賃貸していました。借地権者は,借地上に店舗を建て
  洋菓子店を経営しています。ところが,私の仕事がうまくいかなくなりました。そこ
  で,債務の清算をしなければならなくなったのですが,工場とその敷地を売却するだ
  けでなく,借地分も更地にして売却せざるを得なくなりました。その借地の賃貸期間
  があと半年にせまっているのですが,更新拒絶して,更地にして売却できるでしょう
  か。
Q27更新拒絶と正当事由
  私は約20年前,借地権設定者から土地を賃借して借地上に建物を建て,住居兼店舗と
  して使っています。もちろん地代を滞納したことはありません。借地権設定者は,私
  の借地の周辺にたくさんの土地を持っています。今回突然,借地権設定者の代理人と
  いう人がきて,借地権設定者は,この付近の所有地に,大型マンションを建築する予
  定があるので,次の更新はしないから,明け渡してほしいという申入れがありまし
  た。このような申入れに応じなければならないでしょうか。
Q28借地契約における正当事由(借地に関する従前の経過)
  私は神田に約20坪の借地を持っています。約28年前に賃貸しました。借地権者は,鉄
  筋コンクリート造り4階建店舗を建築し,その建物で食堂を経営していました。最近
  警察から連絡があり,その建物の3階,4階で違法な風俗営業をしているということ
  が分かりました。事件でも起きたら大変なことになりそうです。その借地契約は,あ
  と2年で満30年の期間満了となりますが,期間満了の場合,更新拒絶できるでしょう
  か。
Q29借地契約における正当事由(借地権設定者と借地権者の営業上の利益の衝突と正当事
  由の有無)私は東京の都心に近い場所に借地を持っています。その土地の借地権者
  は,私から借りている土地以外に土地を所有し,その土地に住まいを建てて住んでい
  ます。私の借地には,木造2階建てのアパートを建てて,家賃収入を得ているのです。
  ところが,最近そのアパートが古くなったので,4階建てのマンションに建て替えたい
  と言ってきました。その土地はあと2年で期間満了になるので,実は,私も老後の収入
  のためにその土地を返してもらって,アパートを建てようかと考えていた土地だった
  のです。返してもらうことは可能でしょうか。
Q30資産整理を目的とした更新拒絶
  私は祖父の代から約60年近く土地を賃借して,家族の住まいにしてきました。20年
  の節目ごとに契約を合意で更新し,来年の末に,また更新となります。20年前は,更
  新と同時に建替えもしました。ところで,借地権設定者から自分も年をとったので,
  財産を整理する意味で借地は全部売却してお金にしたい。底地を借地権設定者の希望
  する価格で買うか,買えないのなら,底地を他に売却するが,その場合には明け渡し
  てもらうといわれました。どうすればよいのでしょうか。
Q31自己使用のための更新拒絶
  私どもが貸している借地の相談です。借地は私の父の代の57年ほど前に賃貸したもの
  で,借地権者は住まいと小さな駄菓子屋の店舗として使っていました。私は,私が別
  に賃借した借家で,飲食店をしていたのですが,その借家の大家が倒産し,借家を明
  け渡さなければならなくなりました。私の財産といえば父が残した借地しかありませ
  ん。借地の残存期間は3年ほどありますが,明け渡してもらえれば住まい兼店舗にして
  飲食店を再開できるのですが,明け渡してもらえるのでしょうか  。
Q32立 退 料
  私が貸している土地の借地権者は,長年この土地で生菓子店を経営していましたが,
  賃貸借期間が満了する際,期間満了後も土地の使用を継続したいとの申出を行って
  きました。私は,転勤族でしたが老後はそこに住みたいと考えておりましたので,
  更新は認められない旨を通知しました。しかし,借地権者は長年この土地で営業して
  おり顧客がついているのでこの土地から離れられないと主張し,私の要求に応じよう
  とはしていません。立退料がないと更新拒絶は難しいと考えられますが,資金繰りの
  こともあり,とりあえず建物収去土地明渡請求訴訟を提起し,様子を見て立退料の申
  出を行いたいと思います。その際,資金がないため,なるべく低額な申出を行いたい
  と思いますが,どうでしょうか。
Q33立退料請求権
  私は,駅前の一等地の借地権者で借地上の建物で長年暮らしていたものですが,土地
  の賃貸借期間が到来したとき,借地権設定者から土地を高度利用して高層マンション
  を建てたいという理由で更新拒絶されました。
  その後,裁判になり,「立退料と引換えに借地上の建物を収去して土地を明け渡せ」
  という判決が出ましたので,立退料を支払っていただけたら,借地権設定者に借地を
  明け渡そうと思っています。ところが,借地権設定者は,「裁判所の認定した立退料
  は高すぎる。強制執行する意思はないし,立退料を支払う意思もない。」などと言っ
  てきました。判決後,私としては,立退料を当てに郊外で一軒家を購入し,老後をそ
  こで過ごしたいと考えていたのですが,借地権設定者に立退料を支払わせる方法はあ
  のでしょうか。
Q34更 新 料
  借地契約書には,更新時に更新料を支払う旨の規定がありませんが,借地権者は更新
  料を支払わなければいけないのでしょうか。

第7章 借地の使用方法の制約・用法遵守義務
Q35借地の使用方法の制約・用法遵守義務
  私は,土地の賃貸事業を営んでいます。ある借地上の建物の所有者が,借地権者1人で
  住んでいましたが,自分の建物内で自殺してしまいました。相続人はその兄弟なので
  すが,借地はいらないから返すといっています。借地権者が自殺したことによって,
  土地の価値が相当下落して困っているのですが,価値下落分について,相続人である
  兄弟に損害賠償請求はできないでしょうか。
Q36借地の使用方法の制約
  私の借地権者Aですが,普通建物所有目的で賃貸したところ,その借地の奥に,借地権
  者Aの親戚Bが借地をしていました。Bの借地権設定者はCで私ではありません。Bが自分
  の借地権設定者と喧嘩してそれまで通っていたCの土地を通れなくなったため,借地権
  者Aは借地の一部を私に断わりもなく通路にして,Bを通すようにしていました。今で
  は関係ない人まで通っています。どうしたらよいでしょうか。

第8章 借地上の建物の譲渡と増改築
Q37譲渡承諾拒絶と譲渡許可の申立て
  私は都心部において建物所有を目的として土地を賃借しています。その借地上に建物
  を建てて長年住んでいたのですが,夫に先立たれ一人暮らしである上に,年をとって
  きたので,借地権付き建物を第三者に売却して,その売却資金を使って老人用の施設
  に入居しようと考えています。この場合,借地権を第三者に売却することについて借
  地権設定者の承諾が必要と聞いたのですが,借地権設定者が承諾してくれないと,借
  地権付き建物を売却することができないのでしょうか。
Q38借地権設定者の介入権
  私の所有する土地を建物所有目的で賃借していた借地権者が,この度,借地権を第三
  者に売却したいので承諾をしてもらいたい,と要求してきました。借地権設定  者で
  ある私としては,この借地権を買い取って,自分で土地を有効利用したいと思ってい
  ます。借地権者の第三者に対する売却を阻止し,私が借地権を借地権者から譲り受け
  ることができますか。
Q39借地権の一部譲渡
  私は70坪ある一筆の土地をAに貸しています。借地権者のAは,そこに一棟の建物を建
  てて住んでいましたが,そのうち大通りに面した部屋をBに貸して,Bはそこで飲食店
  を営んでいます。Aは,一棟の建物のうち,Bに貸している部分だけ残し,その他の部
  分を取り壊して,撤去した建物の敷地部分の借地権を第三者に譲渡したいと申し出て
  きました。Bが使用している土地以外の部分だけだと大通りには面しておらず,また,
  接道状況は悪くなります。私は,Aのそのような要求に応じなければならないのでしょ
  うか。
Q40またがり建物の場合の介入権の可否
  私はAに建物所有目的で土地を貸していますが,Aはその賃借地と隣接するA所有の土地
  にまたがる形で建物を建てて,そこに居住しています。最近,Aはその建物を売って引
  っ越したいと言い出しました。Aから賃借権の譲渡承諾を求められた場合,私はそれを
  拒絶した上,Aからの譲渡許可申立てを受けて,Aに対し介入権を行使  することは可
  能でしょうか。
Q41借地権者の法人成りと譲渡承諾
  私は,今まで個人事業主として,借地上にある建物内の営業所で,建設関係の下請け
  業務を行っていたのですが,今後は,公的なところからも仕事を受注していきたいの
  で,会社を設立して,そのまま同建物内で営業を継続していきたいと考えています。
  そこで,心配なのですが,今後,新設会社が借地上の営業所で営業を継続するという
  ことになった場合,個人事業主と新設会社とで賃借人が交代するということで,借地
  権の譲渡に準じて借地権設定者の承諾を得る必要があるのでしょうか。なんとか交渉
  でうまく収めたいのですが,難しいでしょうか。
Q42借地権の担保化
  私は借地権設定者です。ある人に建物所有目的で,土地を貸していましたが,その借
  地権者はお金に困ったらしく,貸金業者からお金を借りたようです。貸金業者は,担
  保として,借地権者に建物を譲渡担保に供させ,建物の登記簿上の名義が貸金業者に
  変わっていました。これらは,もちろん私に無断で行われています。
  借地権者が借地権を無断で貸金業者に譲渡したことを理由に賃貸借契約の解除を行う
  ことができますか。
Q43借地上の建物の建替え
  私は,借地に住居を建てて住んでいます。契約書には建物を増改築するには借地権設
  定者の承諾が必要となっています。建物が相当古くなってきましたので,建替えの承
  諾を借地権設定者にもらいにいきました。ところが,借地権設定者からは賛成しても
  らえませんでした。建て替えるにはどうしたらよいのでしょうか。
Q44借地上の建物増改築
  私が賃貸している土地の借地権者が,承諾なしに,元々あった2階建ての木造建物の1
  階部分に差し掛けるような形で納戸として利用するためのスペースを増築して  しま
  いました。借地権者と交わしている賃貸借契約上,増改築禁止特約条項が入っていま
  す。私は,増築内容にかかわらず,増改築禁止特約違反を理由に賃貸借契約を解除す
  ることができるのでしょうか。また,私は,増築部分を借地権者の費用負担で撤去さ
  せることができるでしょうか。
Q45建物の滅失と増改築禁止特約
  私は借地上に建物を建てて住んでおり,昨年借地契約を更新しました。なお,更新し
  た契約には無断増改築禁止特約が入っています。
  ところで,この度発生した地震により建物が倒壊してしまいました。そこで,建物の
  再築をしたいと借地権設定者にお願いしたのですが,借地権設定者は,再築すると借
  地契約の残存期間を超える建物の建築になってしまうという理由で再築を承諾してく
  れません。本件では,無断増改築禁止特約条項があるのですが,このまま私は新しい
  建物を建てることができないのでしょうか。建物の再築をするための何かよい解決策
  はありますか。また,建物の再築が仮に契約更新前であった場合は,何か違いがある
  のですか。
Q46借地条件の変更
  私は35年前(新法施行前)に2階建ての建物所有の目的で本件土地を借り,15年前(新
  法施行後)に更新しました。最近になって,本件土地でも3階建ての建物が建築できる
  ということを知り,木造3階建ての建物を建築しようとしたところ,借地権設定者から
  は契約で2階建ての建物と定めたということで,3階建ての建物に建て替えることに反
  対されました。どのように対処したらよいでしょうか。

第9章 借地契約の終了
Q47借地権の無断転貸による契約解除
  私は地主です。借地上の建物に長年借地人本人が住んで使っていたのですが,いつの
  間にか,どこかに引っ越して,今では,私の見たこともなかった人が住んでいます。
  無断転貸(譲渡)ということで契約の解除ができないでしょうか。なお,地代は銀行
  振込みで支払われています。
Q48地代の延滞
  私は都心へのアクセスが比較的よい土地を所有しており,居住用建物を建てることを
  用途として土地を賃貸しているのですが,地代の支払がたびたび滞る借地権者の対応
  に非常に苦慮しています。その借地権者は,毎月支払うことになっている地代を滞納
  しては遅れて支払うということを長期間に渡って頻繁に繰り返しているのですが,現
  在は,5か月分ほど地代を滞納している状況です。何か,有効な対応策はあるでしょう
  か。
Q49建物収去土地明渡請求訴訟
  私は土地を賃貸しているのですが,賃料の支払にルーズな借地権者がおり,その対応
  に非常に苦慮しています。日曜日に借地権者の自宅まで催促に赴いたのですが,借地
  権者は不在で,どうも電気・ガス・水道等が止められているようでした。借地権者に
  は親族もいないようですし,大変困っています。どうすればよいでしょうか。
Q50賃貸借契約の破産手続,民事再生手続上の処理
  ー效聾⊆圓破産手続をとりました。借地の賃貸借契約を解除できるでしょうか。
  ⊆效聾⊆圓侶弍弔垢覯饉劼破産した場合はどうでしょうか。
  D詑濕攘戚鵑解除された場合,破産手続開始から賃貸借契約終了までの間生じた賃
   料債 権はどうなるでしょうか。
  ぜ效聾⊆圓砲弔い導始したのが破産手続ではなく,民事再生手続であった場合はど
   うでしょうか。
  ゼ效聾∪瀋蠎圓破産した場合,賃貸借契約を解除できるでしょうか。借地権者の使
   用収益請求権はどうなるか。また,敷金返還請求権はどうなるでしょうか。
  借地権設定者について開始したのが破産手続ではなく,民事再生手続であった場合
   はどうでしょうか。
Q51建物買取請求権
  〃物所有目的の土地賃貸借契約において,どのような場合に建物買取請求権が認め
   られるのでしょうか。賃料滞納によって契約解除された場合にも建物買取請求権が
   発生するのでしょうか。
  建物買取請求権が認められる場合に,建物買取価格はどのように決められるのでし
   ょうか。場所的利益とはどういうものでしょうか。
Q52借地権者が土地を返還するにあたり借地権設定者が気をつけるべきこと
  土地を借地に出していた者です。この度,借地権者が土地を返したいと言ってきまし
  た。どのような点に注意したらよいでしょうか。

第10章 借地と相続
Q53借地権の相続と遺産分割❶
  私の借地人ですが,本人が亡くなって,その相続人と名乗る人物がきて,自分名義で
  賃貸借契約書を作ってほしいと言ってきました。賃貸借契約書を作成してあげてよい
  ものでしょうか。
Q54借地権の相続人が多数いるときの対処法
  土地を賃貸しているのですが,借地権者から,この数年間まったく地代の支払があり
  ませんでした。近所の人に聞いてみると借地権者は既に亡くなっていたことが分かり
  ました。子どもが何人かいるようですが,近くに住んでいないようです。地代を請求
  するにはどうしたらよいでしょうか。請求しても支払ってくれなかったら,どうした
  らよいでしょうか。
Q55借地権の相続と遺産分割❷
  借地(建物あり)人が死亡して,法定相続人3名で承継することになりました。遺産分
  割協議をする際の注意点を教えてください。
Q56借地の財産分与
  私どもの借地権者から連絡があり,今般,離婚したとのことでした。離婚に際して,
  夫である借地権者が財産分与として借地権者の元妻に婚姻中ともに住んでいた借地上
  の建物と借地権を財産分与したと連絡してきました。元妻は借地上の建物に住み続け
  るとのことです。借地権者の無断譲渡として契約解除できないものでしょうか。
Q57地主側の相続が発生した場合の法律問題
  私は,父親が叔父から借りた土地上に建てた建物に住んでいます。叔父は父親よりも
  早く亡くなっており,相続人として5人の子どもがいました。父親の相続人は私だけで
  したが,父親が亡くなった際,叔父の長男と話し合った結果,地代を毎月15万円とす
  ることとし,これを現在まで支払ってきました。ところが,先日,叔父の長男以外の
  子どもたちからこれまでの地代につき,利息とともに遡って支払うよう通知を受けま
  した。そして,これに答えないまま半年が過ぎたところで,今度は土地の明渡しを求
  める通知を受け取りました。私は,土地を明け渡さなければならないでしょうか。

第11章 借地と評価・鑑定
Q58借地権(底地)価格の評価方法
  私たち夫婦は私の両親と一緒に住んでいましたが,数年前に父が他界し,先日母も他
  界しました。母の四十九日も終わり,相続について兄弟でなんとなく話していたとこ
  ろ「実家の土地(借地)はいくらくらいの価値があるのか」という話題になりまし
  た。借地権や底地の評価というのは,一般的にはどのような方法で計算するのでしょ
  うか(なお本問は定期借地権ではなく,普通借地権を前提とします)。
Q59地代の計算方法
  /卦地代の場合:国道沿いの土地を持っていますが,ずっと空地になっていまし
   た。先日,あるスーパーマーケットの店舗開発部の方が来て「この空地に出店した
   いので,土地をお借りできないか。」という話があり,具体的な地代等も提示があ
   りました。私としては貸してもよいかなと思うのですが,提示された地代が適切な
   のかどうかを判断できません。この場合どのような計算方法がありますか。
  継続地代の場合:来年,自宅敷地(借地)の更新を迎えます。先日地主と近所で鉢
   合わせした際「景気も良くなってきたから,更新のときに地代を少し上げさせても
   らうね。」と言われてしまいました。確かに新聞では景気回復の話が出ています
   が,なぜ地代が上がるのか理由が分かりません。現在賃貸借契約中の地代というも
   のはどのように算定されるのでしょうか。

第12章 借地と税務
Q60借地権設定に係る課税関係(使用貸借の場合)
  私は,長男と同居するのに伴い,私が所有する土地に長男が居宅を建設することにな
  りました。長男に土地を貸し付けるにあたり,当該土地に係る固定資産税を負担して
  もらうほかに ,権利金や賃貸料は受け取らないことにしました。税務上問題はありま
  すか。
Q61借地権設定に係る課税関係(賃貸借契約の場合)
  私は,所有している土地を一般的な相場で長男に貸し付けることになり,長男から権
  利金と地代を受け取りました。長男は,その土地の上に居宅を建設し,私とは独立し
  て生計を立てています。この場合,どのような課税関係が発生するでしょうか。

第13章 そ の 他
Q62借地上の建物と競売
  私どもの借地権者ですが,商売がうまくないようで,裁判所から,期間入札するとの
  通知がきました。その借地は,私の住まいの近くでもありますので,できれば,子ど
  もの住まいに買い取っておきたいのですが,どのようにすればよいでしょうか。
Q63借地権と底地の交換
  借地権について,借地権者と借地権設定者とが,それぞれの権利を半分ずつ交換し
  て,それぞれ今までの半分の面積の土地を更地として所有することは可能でしょう
  か。
Q64借地上の建物に借家契約が設定されていた場合の借家人の地位
  私はAからアパートの一室を借りて,妻,子ども2人と住んでいます。
  今まで家賃の滞納は一度もありませんでした。ところが,突然地主と名乗る人物から
  手紙が来て,Aが地代を2年間も支払っていなかったため,土地の賃貸借契約を解除し
  たとして,アパートからの立退きを求められました。私はこの立退き要求に応じない
  といけないのでしょうか。 また,私がアパートを立ち退くことになった場合,損害が
  生じることになりますが,これについて何かできることはないでしょうか。
Q65建物の朽廃と滅失
  土地の賃貸をしています。今の借地権者からの賃貸です。建物は築60年を超えていま
  す。屋根瓦は一部しかなく,窓ガラスも割れて,段ボールで補強しているような状況
  です。それでも,借地権者はその建物に住んでいます。地代は支払っています。明渡
  しにならないでしょうか。また,別の土地についてですが,借地権者が約50年前に借
  地上に戸建住宅を建てて,借家人に貸していましたが,約10年前に借家人は退去し
  て,以後,入居者がいない借地があります。この借地契約は,昨年,借地契約の更新
  期を迎えましたが,更新料の折合いがつかず,そのままになっており,現在,地代の
  支払は遅れ遅れです。建物は,約10年間人が住んでいないので,屋根瓦がはがれて雨
  漏りしているようですし,窓ガラスは割れ,外壁がはがれていたりして,とても人が
  住める状況ではありません。明け渡してもらう方法はないでしょうか。


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