青林書院



講座 現代の契約法 各論3


講座 現代の契約法 各論3
 
編・著者内田 貴・門口正人 編集代表
判 型A5判
ページ数432頁
税込価格5,724円(本体価格:5,300円)
発行年月2019年06月
ISBN978-4-417-01763-9
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■解説
「契約法における理論と実務の架橋」となる講座【各論58項目】刊行!
◆現役裁判官と各専門分野の弁護士,各業界の一線で活躍する実務家が執筆!
◆改正民法の問題意識を背景に実務の現場で生じる課題に焦点を当て,現代の実務を総覧 するテーマを幅広く選択,最新実務の状況を解説,今後の展望を示す!
 契約法における実務の最新の到達点を示す!


はしがき
本講座は,その題名のとおり,現代の契約法の分野における実務の状況と学
問的業績を顕すもので,3つの特色を持つ企画である。
1つは,契約法の全般にわたる現代的課題を取り上げる。あたかも2017 年
には民法が改正され,その施行が2020 年に迫っている。改正法の制定過程に
おける問題意識を背景に実務の現場において生じている様々な課題に焦点を当
て,一般の契約はもとより,スポーツ・芸能,システム開発,国際売買から各
種企業活動における契約に至るまで,現代日本の契約実務を総覧するテーマを
選択した。
2つは,契約法の領域における理論と実務の架橋を目指す。民法の改正の過
程では,学界と実務界の間で,当初,学者グループより学問的観点から斬新な
改正案が提示されたのに対し,実務界から反発が巻き起こるなどせめぎ合いが
見られたが,ここで見られた対立は,120 年間の民法運用の過程で知らぬ間に
できた学界と実務界の間の溝の深さを感じさせた。本講座では,この溝に橋を
架け,相互理解を促進するための道をつけることを期した。
3つは,執筆者に人を得たことである。法曹界からは現役裁判官と各専門分
野の弁護士,各業界からは第一線で活躍する実務家,そして学者からは気鋭の
研究者が選抜された。各執筆者は,それぞれの分野で最新の情報を掌握し,卓
抜した専門的知見を有する方々である。
先行して刊行される各論3巻(実務編)では,現代日本の契約実務における
テーマごとに多角的な視点から最新の実務の状況を解説するとともに,今後の
展望を示す。実務編は,日本の実務の最新の到達点を示す実務的解説として幅
広く活用されるであろう。続いて刊行される総論(理論編)では,各論で示され
た日本の契約実務の実情を踏まえて,それを横断的に俯瞰することによって,
従来の理論が反省されるとともに,実務を踏まえた理論の再構築が試みられる。
理論編は,単に学問的に意味があるにとどまらず,現実に対応できる理論とし
て,実務,とりわけ裁判実務において有益であるに違いない。こうして理論と
実務のひとつの対話が実現され,この対話は,さらなる対話へのスタートとな
るものと確信する。
本書が,現代日本の契約法に関心のある実務家,研究者の双方にとって,有
用な講座となることを期待している。同時に,2017 年改正民法の施行に伴い,
改正法が実務にどのようなインパクトを与えるかについての充実した解説書と
しても有用性を見出していただけるであろう。
本書は,編集委員各位をはじめ,多忙な中,企画の趣旨に賛同して貴重な原
稿を寄せられた執筆者の方々の熱意の産物である。ご協力に感謝したい。ま
た,野心的な大型企画ゆえの困難も多かったが,担当編集者として獅子奮迅の
活躍をしてくださった長島晴美さんにも厚くお礼申し上げる。

2019 年4月3日

内田貴
門口正人



編集代表
内田 貴:早稲田大学特命教授,東京大学名誉教授,弁護士
門口正人:弁護士,元名古屋高等裁判所長官

編集委員
大村敦志:学習院大学法務研究科教授
岡 正晶:弁護士
近藤昌昭:東京高等裁判所部総括判事
中原利明:株式会社三菱UFJ銀行法務部部長

執筆者
山本健司:弁護士/清和法律事務所
小林英治:弁護士
福井佑理:弁護士
佐藤貴美:弁護士
佐藤絵美香:弁護士
中島浩斗:弁護士
市川静代:弁護士
戸部直子:弁護士
相原佳子:弁護士
吉谷 晋:三菱UFJ信託銀行株式会社法務部部付部長
武内則史:弁護士
牛之濱将太:弁護士
鈴木圭佑:弁護士
阿井崇宏:弁護士
柴野相雄:弁護士
稲垣勝之:弁護士
盪蛙鯢А弁護士
栗山陽一郎:弁護士
渕崎正弘:株式会社日本総合研究所代表取締役社長
大谷和子:株式会社日本総合研究所執行役員法務部長
遠藤東路:福島地方裁判所判事
横山経通:弁護士
(執筆順,2019 年4月1日現在)
   
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講座 現代の契約法 各論1
編・著者:内田 貴・門口正人 編集代表
発行年月:2019年06月
税込価格:6,156
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講座 現代の契約法 各論2
編・著者:内田貴=門口正人 編集代表
発行年月:2019年04月
税込価格:5,940
在庫:有り



■書籍内容
第11章消費者契約
41 有料老人ホーム入居契約
有料老人ホーム入居契約の意義
1 有料老人ホームの形態・現状
2 入居契約(利用権型有料老人ホーム入居契約)の意義と形態
入居契約の特徴と法規制の概要
1 入居契約の特徴
2 入居契約に関する紛争の増加の経緯・内容
3 入居契約に対する法規制の沿革と概要
4 入居契約に関する法規制の問題点
入居一時金の不返還をめぐる問題の概要と状況
1 問題の所在
2 法令・行政通達の概要
3 事業者団体の対応
4 裁判例の状況
入居一時金の不返還条項に関する考察
1 入居契約と入居一時金の法的性格
2 償却期間条項の法的効力
3 初期償却条項の法的効力
今後の課題
1 行政・立法の課題
2 事業者における課題
3 裁判実務における課題

第12章組合
42 任意組合(民法上の組合)
はじめに
組合の組成
1 民法上の組合の特徴
2 組合契約の要件
3 法人格
4 任意組合が選択される場合
民法の原則と契約で定められる事項
1 目的
2 出資
3 業務の運営
4 組合員の責任
5 組合財産
6 配当と損失分担
7 組合員の地位
8 組合の終了
43 民法上の組合とマンション管理組合
  ―組合契約と関連する管理組合運営の諸課題の整理と一考察
はじめに
民法上の組合と管理組合との相違
1 組合の成立
2 業務の執行体制と組合員の責務
3 組合からの離脱――自発的な脱退と除名
3 条団体と構成員を異にする「管理組合」の問題
1 管理組合と3条団体との関係
2 区分所有者の一部が参画していない「管理組合」の問題
3 3条団体も機能しない場合の取扱い
4 管理組合内部の二次的団体の法的性質等
管理組合の業務執行と監督――組合員である区分所有者の役割
1 管理組合の業務執行(管理者制度)と監督
2 区分所有者の役割
管理組合からの実質的な除名――59 条競売の活用と限界
1 管理組合からの実質的な除名
2 管理組合運営妨害行為への活用――共同利益背反性の拡張
3 管理費等の滞納者への活用――著しい共同生活上の障害の捉え方
最後に
44 投資事業有限責任組合契約
はじめに
1 投資事業有限責任組合とは
2 海外の類似の制度
3 モデル契約書
LPS 契約の実務
1 LPS 契約の成立
2 出資
3 ガバナンス
4 持分と分配
5 組合員の地位の変動
6 解散・清算
45 匿名組合契約
はじめに
1 匿名組合とは
2 商法上の規律
3 類似する制度との相違点
4 税務上の取扱い
匿名組合の実務上の利用形態
1 概要7
2 不動産の流動化におけるTK-GK スキーム
46 有限責任事業組合契約
はじめに
1 有限責任事業組合とは
2 LLP 法上の規律
契約条項
1 絶対的記載事項
2 相対的記載事項
3 任意的記載事項

第13章家族・相続
47 遺産分割協議書
はじめに
1 遺産分割とは
2 遺産分割協議とは
3 遺産分割協議の有効性
4 遺産分割協議が調わない場合
遺産分割協議の各段階における検討課題
1 当事者
2 遺産分割の対象財産
3 遺産の評価
4 特別受益や寄与分
5 遺産の分割方法
6 付随的事項
実際の文言
1 モデルとなる条項
2 個別の文例
おわりに
48 死因贈与契約
はじめに
1 死因贈与契約とは
2 遺贈と死因贈与
3 信託と死因贈与
死因贈与契約の構成と課題
1 死因贈与契約の構成
2 各項目の課題
実務上の留意点
1 制限行為能力者の場合
2 公正証書での作成
3 受贈者の期待権の保護
4 贈与者の最終意思の保護
おわりに
49 夫婦関係の契約
夫婦関係の契約
婚姻前の夫婦間の契約――夫婦財産契約
1 夫婦財産に関する民法の規定
2 夫婦財産契約の内容
婚姻期間中の夫婦関係の契約
1 夫婦間の契約の取消権・夫婦間の権利の時効の停止
2 婚姻費用の分担
離婚に際しての夫婦関係の契約
1 離婚数の推移
2 離婚協議書
3 離婚給付
4 年金分割
おわりに
50 任意後見契約及び財産管理等委任契約
はじめに
任意後見契約における現行の運用
1 任意後見契約書について
2 任意後見契約書作成における留意点
財産管理等委任契約
1 財産管理等委任契約書の文例
2 財産管理等委任契約における代理権の範囲について
任意後見契約の各類型の問題点
1 各類型の問題点
2 問題点に対する提言等
その他検討事項
1 取消権・同意権について
2 任意後見人の報酬
最後に
1 医療に関する意思表明を認める(医療同意権)
2 福祉型信託との併用
3 結語

第14章信託
51 信託契約
信託の利用
受託者の運用裁量による信託の分類と合同運用指定金銭信託・不動産管理処
分信託の特徴
1 信託財産の運用裁量に関する信託の分類
2 合同運用指定金銭信託の特徴
3 不動産管理処分信託の特徴
信託契約総論
信託契約の主要な条項
1 信託の目的と信託事務処理
2 信託財産
3 信託期間
4 信託業務の委託
5 利害関係人等との取引
6 競合行為
7 委託者の地位
8 受益者・受益者代理人
9 信託財産の交付
10 信託事務処理の費用
11 信託報酬
12 計算期間,信託財産の管理又は処分の状況の報告
13 信託の変更
14 信託の終了
15 受託者の辞任・解任・選任
16 受益権の譲渡・質入
合同運用指定金銭信託約款に特徴的な条項
1 元本補てん・利益補足
2 合同運用
3 預金保険事故
4 相殺
不動産管理処分信託契約に特徴的な条項
1 担保責任
改正民法(債権関係)の影響(定型的約款の変更)
1 定型的約款の変更と信託法の関係
2 合同運用指定金銭信託約款
(補論)遺言による信託

第15章環境・エネルギー
52 電力関連契約
電力関連契約総論
1 概要
2 本稿のスコープ
3 歴史
電力調達契約
1 はじめに
2 電力調達契約の法的性質等
3 契約自由の原則の例外
4 電力調達契約の主要条項
小売電気事業者と需要家(消費者)との間の契約
1 参入規制の撤廃
2 契約形態
3 契約内容
4 小売電気事業者に対する行為規制
結語

第16章エンタテインメント・スポーツ
53 タレントをめぐる契約
はじめに
専属マネジメント契約をめぐる主な論点
1 タレントの労働者性(専属マネジメント契約の法的性質)
2 損害賠償の予定
3 芸名の使用制限
4 恋愛禁止
54 プロスポーツ選手の選手契約
はじめに
1 プロスポーツ選手に関する契約
2 プロスポーツ選手の選手契約
統一契約書
1 選手契約に統一契約書が用いられている理由
2 契約者と代理人
3 統一契約書による選手契約の締結義務
4 特約条項の可否
5 統一契約書と競技団体の内規等との関係
6 統一契約書の主たる内容
7 統一契約書の法的問題点
おわりに

第17章I T
55 システム開発契約総論――現状と課題・新しい潮流と進むべき方向性
はじめに
1 IT業界の現状とその課題
2 市場規模・従業者数
3 情報システムの種類
システム開発契約の形態と種類
1 システム開発契約における仕事の流れ
2 契約の種類(請負契約と準委任契約)
3 建築とシステム開発の違い
4 欧米におけるシステム開発の実情
システム開発契約に関する法的課題
システム開発の新しい潮流と進むべき方向性
1 モデル契約の策定
2 システム開発手法等の変化
3 進むべき方向性
56 システム開発契約各論――多段階契約のモデル条項・T&M契約
はじめに
1 システム開発契約とは
2 モデル契約作成の歴史
システム開発契約の構成と課題
1 システム開発契約の構成
2 METIモデル契約に見る論点ごとの考え方
個別の文言例
1 システム開発契約の特性を示した条項
2 責任の制限に関する規定
3 契約不適合に係る請負人の担保責任(瑕疵担保責任)
4 変更管理手続と契約の中断
5 納入物の著作権
6 第三者ソフトウェアの利用
7 協働と役割分担
海外の契約の事例
おわりに
57 システム開発契約
システム開発契約の意義
システム開発をめぐる契約関係
システム開発の概要
1 開発工程から見た開発手法の類型
2 開発工程の中で行われる合意形成
3 システム開発契約の法的性質
4 パッケージソフトを利用した開発手法
システム開発契約に内在するリスク
1 契約や紛争に影響するリスクの存在
2 開発工程に内在するリスク
3 契約の仕方に内在するリスク
4 リスク管理の方法
裁判上問題となる主要な争点
1 システム開発契約の成否
2 請負の「完成」
3 請負の「瑕疵」
4 システム開発の中途終了と報酬請求
5 プロジェクト・マネジメント義務と協力義務
58 電気通信サービス契約
電気通信サービスとは
契約約款
約款の変更
説明義務等
契約申込みの承諾
本人確認義務
料金支払義務
回収代行
解約金
1 はじめに
2 解約金条項の効力
3 料金プラン
責任制限
1 はじめに
2 責任制限条項の効力
将 通信の秘密
1 通信の秘密
2 ターゲティング広告
将 迷惑通信の禁止
将 相互接続と卸電気通信役務

事項索引
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