青林書院



続・争点 倒産実務の諸問題


続・争点 倒産実務の諸問題
 
編・著者倒産実務交流会[編]
判 型A5判
ページ数448頁
税込価格5,724円(本体価格:5,300円)
発行年月2019年02月
ISBN978-4-417-01756-1
在庫有り
  
在庫があります

■解説
■「倒産実務交流会」の研究成果37編を収録!!
■第一線の実務家・研究者による執筆陣が,倒産処理に関する重要問題
 (争点)について,実 務から理論まで徹底解説!!
■倒産実務交流会 研究成果第2弾!!



本書は,『争点・倒産実務の諸問題』の続編です。
 本書に収録されている論文は,前書と同様,当会(倒産実務交流会)が開催する研究
会における実務家の研究報告とこれに対する研究者のコメントで構成されています。
当会は,関西方面で倒産実務に従事する弁護士を主要メンバーとして年4回ほどの研究
会を開催していますが,倒産実務に関心のある研究者,裁判官,他地域の弁護士,金融
実務家等の方々にもご出席頂いています。自画を賛することをお許し頂くと,本書に収
めた論文は,実務家が実地に経験した事案や実務上の問題を研究会で報告し,そこでの
議論を経て執筆した論考に研究者が専門的な見地から論評を加えたものであり,いわば
実践と学理の両面から実務上の課題を考究したものばかりです。これらの論考は,いず
れも銀行法務21誌上に掲載して頂いて来ましたが,今回,本書に収録するに当たり,執
筆者が旧稿を見直して改訂・補筆しました。前書では,平成19年から同23年の間に銀行
法務21誌上で公表された報告とコメント40編を収録しましたが,本書は,その後に公表
された報告とコメント37編を載録しています。
 ところで,当会が発足した平成18年から十数年が経過しましたが,この間における倒
産事件を取り巻く環境は劇的に変化しました。すなわち,当会は,倒産法制が大改正さ
れてその運用が確立されつつあった時代に産声を上げ,次いで平成20年初頭のリーマン
ショックによる大型倒産の時代を経験し,現在は,景気回復に伴う倒産件数の減少期に
置かれています。加えて,平成20年代の半ば以降,金融機関の不良債権処理の手法が変
化し,事業再生の方法も,法的手続から私的整理へと軸足を移し,再生・更生手続はこ
うした方法に適さない事案や私的整理が頓挫した場合の受皿として用いられる場面が増
えています。
 本書の第1章には,こうした趨勢を反映し,近時の事業再生の手法(純粋私的整理,
準則型私的整理等)に関する論文7編を収録したほか,受皿としての再生手続による再
建事案やそれが挫折して牽連破産に移行する際の法的問題点に関する論文3編を収めま
した。また,続く第2章には,事業再生に付き物のスポンサー選定に関する実践的な論
文2編を配し,第1章と併せてご覧頂くと,最近の事業再生の潮流を肌で感じて頂ける
構成としています。
 以上に対し,第3章以下では,実務上の扱いが固まっていない問題や最近の重要判例
を取り上げた論文を収めています。再生事件における建築会社のアフターサービス請求
権の処遇に関する事例報告や信託関係者の倒産を検討する論文が前者,再生債権として
届け出られた共益債権の処遇に関する最判平成25年11月21日民集67巻8号1618頁,別除
権協定に関する最判平成26年6月5日民集68巻5号403頁,投資信託解約金債務を受働
債権とする金融機関の相殺の可否に関する最判平成26年6月5日民集68巻5号462頁,
開始時現存額主義に関する最決平成29年9月12日民集71巻7号1073頁等,最近の注目す
べき最高裁判例を素材とする一連の論文が後者であり,特に重要判例に関する諸論文は,
いずれもこれらの訴訟に当事者(管財人等)あるいは訴訟代理人として関与した弁護士
の手になるもので,これらの判例が形成されるに至った消息を垣間見ることができます。
 以上,簡単に本書の構成や収録された論考をご紹介しましたが,倒産事件の趨勢やそ
の処理の法的技法がその時代における社会・経済事情を色濃く反映した「時代の子」で
あることを今さらながらに痛感します。当会の活動やその成果である本書が倒産実務に
裨益することがあれば,当会にとってこれに勝るよろこびはありません。
 末尾になりましたが,実務家の議論に耳を傾け,熱心にご指導を頂いた中西正先生,
藤本利一先生,高田賢治先生,本書への掲載をご快諾下さった銀行法務21編集部の皆様,
また,本書の出版にご尽力を頂いた青林書院の宮根茂樹氏に心から御礼を申し上げます。

平成31年1月
 倒産実務交流会
 幹事 弁護士 中井 康之
 幹事 弁護士 佐々木 豊
 幹事 弁護士 石井 教文
 幹事 弁護士 木村 真也
 幹事 弁護士 中嶋 勝規


編集者
中西 正:同志社大学大学院司法研究科教授
藤本利一:大阪大学大学院高等司法研究科教授
高田賢治:慶應義塾大学大学院法務研究科教授
中井康之:弁護士(堂島法律事務所)
佐々木豊:弁護士(佐々木豊法律事務所)
石井教文:弁護士(大阪西総合法律事務所)
木村真也:弁護士(木村総合法律事務所)
中嶋勝規:弁護士(アクト大阪法律事務所)

執筆者
中西 正:同志社大学大学院司法研究科教授
中島弘雅:専修大学法学部教授・慶応義塾大学名誉教授
藤本利一:大阪大学大学院高等司法研究科教授
高田賢治:慶應義塾大学大学院法務研究科教授
渡邉一平:弁護士(太田・渡辺法律事務所)
上田裕康:弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)
中井康之:弁護士(堂島法律事務所)
森 恵一:弁護士(色川法律事務所)
増市 徹:弁護士(共栄法律事務所)
増田勝久:弁護士(増田・飯田法律事務所)
木村圭二郎:弁護士(共栄法律事務所)
塩路広海:弁護士(塩路法律事務所)
平出晋一:弁護士(平出・盒極[Щ務所)
島岡大雄:奈良地方裁判所判事
野上昌樹:弁護士(弁護士法人大江橋法律事務所)
中森 亘:弁護士(北浜法律事務所・外国法共同事業)
小谷隆幸:弁護士(小谷隆幸法律事務所)
佐藤吉浩:弁護士(佐藤吉浩法律事務所)
上田 純:弁護士(久保井総合法律事務所)
河本茂行:弁護士(烏丸法律事務所)
軸丸欣哉:弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同)
豊島ひろ江:弁護士(中本総合法律事務所)
木村真也:弁護士(木村総合法律事務所)
山形康郎:弁護士(弁護士法人関西法律特許事務所)
野城大介:弁護士(きっかわ法律事務所)
北野知広:弁護士(弁護士法人大江橋法律事務所)
堀野桂子:弁護士(北浜法律事務所・外国法共同事業)
小幡朋弘:弁護士(弁護士法人太田・小幡綜合法律事務所)
溝渕雅男:弁護士(共栄法律事務所)
渡邊一誠:弁護士(弁護士法人大江橋法律事務所)
飯田幸子:弁護士(増田・飯田法律事務所)
福井俊一:弁護士(はばたき綜合法律事務所)
坂田達也:株式会社地域経済活性化支援機構執行役員マネージングディレクター
中島宏記:株式会社地域経済活性化支援機構マネージングディレンター

■書籍内容
第1章 倒産処理の手法
第1 私的整理
・論文/純粋私的整理の実務
・コメント/「支払停止」の意義
第2 倒産ADR
機‥飮今腺庁劼慮従
・論文1/倒産ADRの現状と課題
・論文2/事業再生ADRの意義と問題点
・論文3/行政型ADR手続(再生支援協議会手続)についての意義と課題
・論文4/司法型倒産ADRとしての特定調停――その意義と問題点
供|楼莊从儚萓化支援機構を活用した事業再生
・論文/地域経済活性化支援機構の実務・再生事案について
・コメント/再生型の私的整理と法的倒産処理の連続性
掘〇業再生ADRと経営者保証ガイドラインを用いた一体再生
・論文/事業再生ADR手続と経営者保証ガイドラインを用いて一体整理を図った事例
・コメント/経営者保証ガイドラインと自由財産の範囲拡張
第3 民事再生
機|羮企業の再生事例
・論文/東京地裁における中小規模民事再生の実務
・コメント/中小企業再生における事業譲渡の意義
供〔瓜再生事件の履行監督と牽連破産
・論文1/民事再生事件の履行監督と民事再生から破産への移行(牽連破産)事件
 の処理における一裁判官の雑感
・コメント1/再生債務者代理人の職責と保全管理人の事業譲渡
・論文2/牽連破産事件における実務上の論点
・コメント2/牽連破産手続における優先的財団債権の射程
第2章 スポンサー選定に関する諸問題
第1 手続移行とスポンサー選定
・論文/再生手続から更生手続に移行する事例におけるスポンサー選定の問題
・コメント/スポンサー選定の問題
第2 中小企業のスポンサー選定
・論文/中小オーナー企業のスポンサー選定に関する考察
・コメント/計画外事業譲渡は「濫用」か
第3章 担保権
・論文/別除権協定に関する平成26年6月5日最高裁判決と今後の別除権協定
・コメント/別除権協定における解除条件条項の有効性
第4章 相殺
第1 割引手形
・論文/割引済手形と破産・民事再生――近時の最高裁判決や銀行取引約定・
 商事留置権・相殺禁止規定を踏まえて
・コメント/割引手形と破産・民事再生
第2 投資信託解約金
・論文/投資信託解約金債務を受働債権とする相殺の可否
 ――最高裁〔1小〕平成26年6月5日判決
・コメント/相殺の合理的期待について
第5章 保証人(全部義務者)の手続参加
第1 債権調査後の債権消滅・変更
・論文/破産債権・再生債権の確定後の債権消滅・変更に対する処理
 ――債権者表の記載と実体法上の権利関係に齟齬がある場合の事例処理を中心に,
 最高裁決定平成29年9月12日を踏まえた残された問題について若干の考察をする
・コメント/実体法的変動の破産手続上の取扱い
第2 開始時現存額主義
・論文1/保証債務履行請求権に関する開始時現存額主義の適用について
・論文2/開始時現存額主義により超過配当となる場合の処理方法を示した
 最高裁平成29年9月12日第三小法廷決定に関して
 ――開始時現存額主義と劣後的破産債権に関する問題等を含めて
・コメント/開始時現存額主義の射程に対する違和感
第3 弁済による代位
・論文/再生債権として届け出られた共益債権の扱い
 ――最高裁平成25年11月21日判決の検討と理論の整理
・コメント/労働債権についての情報提供努力義務
第6章 契約関係の処理
第1 請負契約
・論文/アフターサービス請求権の処理――中堅ゼネコンの民事再生手続を通じて
・コメント/倒産処理手続における瑕疵担保請求権の取扱い

第2 信託
・論文/信託関係者の倒産及び黙示の信託に関する検討
・コメント/信託関係者の倒産と双方未履行双務契約



Copyright © SEIRIN SHOIN All Rights Reserved.