青林書院



類型別 労働関係訴訟の実務


類型別 労働関係訴訟の実務
 
編・著者佐々木宗啓・清水響・吉田徹・伊藤由紀子・遠藤東路・湯川克彦 編著
判 型A5判
ページ数502頁
税込価格5,940円(本体価格:5,500円)
発行年月2017年08月
ISBN978-4-417-01723-3
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■解説
わかりにくい労働関係紛争のルールを整理して客観的にわかりやすく解説!
●東京地裁労働部に所属していた裁判官執筆
●現実の紛争に合わせた紛争類型別
●Q&A方式で個別労働紛争の解決対処方法を伝授
●個別労働紛争の解決に携わろうとする者必携


編著者
佐々木 宗啓:東京地方裁判所民事第11部部総括判事
清 水  響:東京高等裁判所第15民事部判事
       (前東京地方裁判所民事第19部部総括判事)
吉 田  徹:東京地方裁判所民事第36部部総括判事
伊藤 由紀子:京都地方裁判所第4民事部部総括判事
       (前東京地方裁判所民事第19部判事)
遠藤  東路:東京地方裁判所民事第36部判事
湯川  克彦:旭川地方裁判所民事部部総括判事
       (前東京地方裁判所民事第11部判事)

執筆者
石田  明彦:東京地方裁判所民事第36部判事
五十嵐 浩介:札幌地方裁判所室蘭支部長判事(前東京地方裁判所民事第11部判事)
鷹 野  旭:札幌地方裁判所苫小牧支部長判事(前東京地方裁判所民事第11部判事)
宮川  広臣:長崎地方裁判所大村支部判事(前東京地方裁判所民事第19部判事)
堀田  秀一:東京地方裁判所民事第19部判事
水倉  義貴:東京地方裁判所民事第21部判事(前東京地方裁判所民事第36部判事)
       (肩書きは刊行当時)

はしがき
 紛争を解決するには,紛争を規律するルールを正確に知る必要があるが,
労働関係紛争のルールを知ることは容易ではない。雇用社会の今日では,労
働者,管理職,人事労務の担当者,労働組合,雇用主といった多数の関係者
が,それぞれの立場で自分の問題として労働紛争に関わる可能性がある。そ
れにもかかわらず,その時々の局面において最適なルールを発見し,これを
当てはめることは,弁護士や裁判官といった法律専門家にとってすら,難し
いことが少なくない。なぜ,労働関係紛争のルールは難しいのか。それは,
労働関係を規律するルールが,民法,労働契約法,労働基準法といった多く
の法令,最高裁判例やそれを補充する多くの裁判例群,多数の行政通達から
なる複雑な体系を構成しているからである。また,労働関係を規律するルー
ルは抽象的なものが多く,解釈の裁量が広いからである。例えば,解雇の有
効性を規律する基本的なルールである労働契約法16条は,解雇が無効となる
場合について,「客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認
められない場合」といった文言でしか示していない。この抽象的な文言をど
のように現実の事例に当てはめるかといった初期の段階から,判断に難渋す
る者は少なくないと思われる。さらに,労働関係紛争の歴史的な経緯に由来
して,労働者の立場と使用者の立場のどちらに視座を置くかによってルール
の説明の仕方が異なる場合が多いことも,ルールを学ぶ初学者にとっての隘
路となっている。
 本書は,わかりにくい労働関係紛争のルールを,できる限り整理して客観
的に叙述することにより,世の人の役に立つことを目指して編まれた。特に,
これから個別労働紛争についての解決対処の方法を学び,その解決に携わろ
うとする者にとって,役に立つものであることを目標としている。執筆者は,
東京地裁労働部(民事第11部,第19部,第36部)に所属し,専門的に労働関
係事件を担当していた裁判官の有志であるから,その客観性は担保できたと
自負している。そして,その叙述の方式については,専門家らしい法体系に
沿う方法ではなく,現実の紛争に合わせた紛争類型別とした上,Q&A方式を
採用し,できる限りわかりやすく行うことを目指した。執筆者は,本書の目
標,とりわけルールの整理と客観化という使命を認識した上で,執務外の時
間を割いて草稿を分担し,その草稿をもとに議論をしながら推敲を重ねてい
った。もとより各執筆者の分担部分における見解は,東京地裁労働部の統一
的見解でも,筆者らに共通の見解でもなく,執筆者それぞれが,議論の末に
到達した個人的な見解である。本書が,労働関係紛争に携わる裁判官,弁護
士を始め,労働法制を学習しようとする関係者にとって,少しでも役立つも
のであれば幸いである。
 最後に,本書の刊行に当たり多大なる尽力をいただいた青林書院の長島晴
美氏に厚くお礼を申し上げたい。
  
 平成29年7月 執筆者を代表して
 佐々木 宗啓
 伊藤 由紀子



■書籍内容
第1部 雇用継続中の紛争類型

第1章 賃金・賞与の請求事件
機々況睨標翳法の概要
1 労務提供がある場合の賃金請求
2 労務提供のない場合の賃金請求
供ゞ饌療なQ&A
1 訴状審査の注意点
2 労働契約の内容
3 賃金とは何か
4 賞与請求
5 賃金の支払方法
6 訴訟・労働審判中に使用者が倒産手続に入った場合の取扱い
7 賃金保全のための仮差押え
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕 

第2章 賃金減額の無効を理由とする差額賃金の請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
1 訴状審査の注意点等
2 就業規則及び労働協約
3 懲戒処分としての賃金減額
4 業務命令としての降格に伴う賃金減額
5 就業規則中の賃金査定条項に基づく賃金減額
6 就業規則の変更による賃金減額
7 労働協約(労組法16条所定の規範的効力)に基づく賃金減額
8 労働協約(労組法17条所定の一般的拘束力)に基づく賃金減額
9 労働者との合意による賃金減額
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書の記載例〕

第3章 時間外労働等の割増賃金請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
1 訴状の記載事項等
2 割増賃金の割増率
3 割増賃金の計算の基礎となる賃金単価の算定
4 労基法における労働時間規制
5 労働時間該当性
6 時間外労働時間の計算方法
7 割増賃金の放棄
8 固定残業代
9 遅延損害金
10 労働時間規制の例外的制度
11 変形労働時間制
12 フレックスタイム制
13 事業場外労働のみなし時間制
14 裁量労働制
15 労働時間規制の適用除外者
16 労働時間の特例
17 消滅時効
18 付加金
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書の記載例〕
■補正依頼書(割増賃金・訴訟)
 〔補正依頼書〕
■事務連絡(割増賃金・訴訟)

第4章 新部署等における就労義務不存在確認請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
1 訴状審査の注意点
2 配  転
3 職種限定の労働契約
4 勤務場所限定合意
5 配転命令が無効になる場合
6 仮処分申立事件
7 出  向
8 転  籍
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書の記載例〕

第2部 雇用関係の終了をめぐる紛争類型

第5章 解雇の効力を争う地位確認請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
1 訴状審査の注意点
2 解雇が無効である場合の賃金請求権
3 解雇一般の有効性
4 懲戒解雇の有効性
5 普通解雇の有効性
6 試用期間中の解雇の有効性
7 仮 処 分
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕
■補正依頼書(解雇無効地位確認・訴訟)
 〔補正依頼書〕
■事務連絡(解雇無効地位確認・訴訟)

第6章 有期労働契約における雇止めの効力を争う地位確認請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
1 訴状審査等の注意点
2 雇止めに関する法規制
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書の記載例〕

第7章 休職期間満了による解雇・自動退職の効力を争う地位確認請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書記載例〕

第8章 定年(高齢者雇用の義務違反)を争う地位確認請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書の記載例〕

第9章 辞職・合意退職の効力を争う地位確認請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書の記載例〕

第10章 解雇予告手当の請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
1 訴状審査の注意点等
2 解雇予告制度
3 解雇予告手当
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書の記載例〕

第11章 退職金の請求事件
機々況睨標翳法の概要
供ゞ饌療なQ&A
■請求原因・抗弁の具体的な記載
 〔訴状・請求原因の記載例〕/〔答弁書の記載例〕

第3部 労働審判事件

第12章 労働審判事件
機‥豕地裁(本庁)における労働審判事件の概況
1 事件処理態勢
2 事件数の動向
3 事件類型
4 審理期間・回数
5 終局事由
供ゞ饌療なQ&A
■補正依頼書(解雇無効地位確認・労働審判) 
■事務連絡(解雇無効地位確認・労働審判)
■補正依頼書(割増賃金・労働審判) 
■事務連絡(割増賃金・労働審判)

事項索引/判例索引  




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