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事例解説 子どもをめぐる問題の基本と実務 ―学校生活、インターネット、少年事件、児童福祉、離婚・親権―


事例解説  子どもをめぐる問題の基本と実務 ―学校生活、インターネット、少年事件、児童福祉、離婚・親権―
 
編・著者第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会[編]
判 型A5判
ページ数330頁
税込価格3,672円(本体価格:3,400円)
発行年月2017年04月
ISBN978-4-417-01710-3
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■解説
相談窓口で培われたノウハウの集大成!
  
  だから……
 ○具体的な解決方法や実践的な考え方を身につけることができます。
 ○精神医学,臨床心理学等の専門的観点からもポイントを抽出。
 ○事案の背後にある複雑な要因の理解の仕方がわかります。

 さらに〔事例〕〔Q&A〕〔おさえておきたい知識〕〔コラム〕
 多彩な形式で実務を網羅!


はじめに
 第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会は,いじめ,体罰,
虐待,少年事件など子どもを取り巻く様々な問題を幅広く取り扱って
おり,また,子どもに関わる法令等の研究,改正の是非,児童福祉や
法教育のあり方等について検討するなど,子どもの人権を守るために
活動を行っている団体です。現在において,深刻ないじめ自殺事件が
継続的に発生する状況が続いており,また,児童虐待の認知件数も年
々増加するなど,子どもの人権に関する状況は深刻さを増しています。
また,社会環境の激しい変化に伴い,子どもを取り巻く問題も多様化
及び複雑化の様相を呈してきております。例えば,インターネットが
社会インフラとして不可欠な地位を確立するとともに,インターネッ
トトラブルに子どもたちが巻き込まれることが増えていますし,また,
いじめや児童虐待などの深刻な問題の背景として,子どもの貧困など
の社会的要因や,発達障がいなど精神医学的な要因の存在が意識され
るようになってきました。このように多様化・複雑化した問題に弁護
士が対応するためには相当の知識及びノウハウの習得が不可欠ですが,
弁護士がこれらを獲得する機会は,かなり限られていたというのが実
情でした。
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当委員会では,平成2年以降「子どもの悩みごと相談」という相談
窓口を開設し,電話及び面接により子どもに関する相談に取り組んで
きました。現在では「キッズひまわりホットライン」
(http://niben.jp/or/kodomo/)に名称を変更し,26年以上にわたり,
いじめ,体罰,虐待,少年事件に留まらず,なかには法的問題とは言
えない純然たる「悩みごと相談」も含めた様々な内容について,保護
者だけでなく子ども本人からも相談を受け,その解決に努めてまいり
ました。当委員会には,このような実際の事件処理を通じて培った経
験があり,また,その過程で,子どもの問題に関わる様々な専門家と
連携する機会も得て参りました。
 本書は,当委員会が有する資源を活用し,主として次の2点につい
て,子どもの問題の解決のために関与したいと考えておられる法律家
をはじめとする全ての方に対して,ご提供することを目的としており
ます。  
 〇劼匹發量簑蠅龍饌療な解決方法やそれに向けた実践的な考え方
を,実際の事件を参考に作成されたモデル・ケースに即してご紹介す
ること◆\鎖整絣悄の彎何翰学,社会学等の観点から,多様化・複
雑化した子どもの問題の理解の仕方をご紹介すること以上の目的が,
本書をもって達成できていることを願うばかりです。最後に,遅れが
ちな執筆作業にも粘り強くお付き合いいただき,本書の発行に並々な
らないご尽力をいただいた青林書院編集部の長島晴美様,加藤朋子様
に,心より感謝申し上げます。
  
平成29年4月
第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会委員長         
竹田 真
同副委員長/編集委員代表
下瀬 隆士


執筆者紹介
編 者
第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会

編集委員(五十音順)
青木 智子
伊東亜矢子
太田 絢子
佐田 理恵
下瀬 隆士
馬場 和佳
執筆者(五十音順)
青木 智子(弁護士)
赤石  理(弁護士)
伊東亜矢子(弁護士)
上沼 紫野(弁護士)
太田 絢子(弁護士)
大森 啓子(弁護士)
辛嶋 如子(弁護士)
倉田  徹(弁護士)
佐田 理恵(弁護士)
下瀬 隆士(弁護士)
大門あゆみ(弁護士)
竹内 彩香(弁護士)
多田  猛(弁護士)
張  文涵(弁護士)
寺谷 洋樹(弁護士)
馬場 和佳(弁護士)
平尾  潔(弁護士)
前岨  博(弁護士)
森本 周子(弁護士)
山本  翔(弁護士)
山本雄一朗(弁護士)
…………………………
阿部 愛子(臨床心理士)
田中  哲(医師)
松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所,医師)
宮崎 豊久(インターネット博物館代表)
山本 直子(神奈川工科大学・清泉女子大学非常勤講師(社会学))
(肩書きは刊行時)






■書籍内容
目 次
  
第1章 総  論
子どもをめぐる問題の傾向
  1 弁護士が関与する子どもをめぐる問題の多様性  
2 最近の子どもを取り巻く問題
子どもの問題の相談を受けるにあたっての一般的な留意事項
  1 電話相談・面接相談における対人援助  
  2 電話相談・面接相談時に念頭に置くべきこと
第1節 学校生活関係
事例01 いじめ事案その1――不登校中の自殺事件での学校交渉
【場面1】 両親からの相談
  1 複数対応の必要性  
  2 面談時の留意点
【場面2】 学校との交渉
  1 学校への連絡の仕方 
2 要望書等の記載内容
【場面3】 学校との交渉(続き――再度の要請等)
  1 学校側の調査等が不十分だった場合 
  2 その他留意すべき事項について
【場面4】 事実確認,損害賠償,謝罪等
  1 事実確認,損害賠償等について  
  2 第三者委員会等の利用について  
  3 謝罪について
事例02 いじめ事案その2――自殺未遂事件での加害者との交渉
【場面1】 刑事手続について(両親からの最初の相談)
  1 いじめ事案における被害届  
  2 少年審判手続
【場面2】 加害者側の民事責任について
【場面3】 示談について
事例03 いじめ事案その3――加害者側からの相談
【場面1】 慰謝料請求の内容証明郵便が弁護士から来る
  1 最初の対応  
2 事実の把握 
  3 対応策の検討
【場面2】 学校を中心とした事実の確認
  1 要件事実のみに偏らない調査  
  2 学校に対応を促すにあたって  
  3 いじめ防止対策推進法に基づいた情報開示請求  
4 和解の方法(対学校・対被害者側) 
 5 いじめられた子どもへの配慮
【場面3】 いじめられた子どもからの訴訟の提起
  1 いじめの損害賠償請求訴訟への対応  
  2 争点整理の方法 
3 「いじめ」と不法行為との関係  
  4 保護者の監督義務者としての責任  
  5 訴訟の終結
■column01 いじめた子どもに対する別室指導といじめた子どもへのケア
Q&A01  ネットによる性的いじめ
■column02 弁護士によるいじめ予防授業
事例04 学校の行き過ぎた指導・懲戒処分
【場面1】 母親からの電話相談
  1 いじめの有無  
  2 本人の意思及び事実の確認
【場面2】 子どもを含めた面接相談
  1 本人のいじめに対する認識 
  2 相手方保護者への謝罪  
  3 学校との交渉の方法
【場面3】 学校との交渉
  1 交渉における出席者等について  
  2 事実の確認等  
  3 要望の伝達
【場面4】 仮処分の申立て
  1 自主退学勧告の法的性質  
  2 学校(校長)の懲戒についての裁量権  
  3 申立ての趣旨及び理由  
  4 いじめの具体的内容についてどの程度争うかについて
【場面5】 和解〜事件の終結
  1 転学を前提とする和解の選択について(子ども本人の意思の尊重)  
2 和解の条件について  
  3 指導要録について  
  4 欠席日数の出席認定について
事例05 私学の懲戒処分と少年審判手続
【場面1】 母親からの相談
【場面2】 学校及び家庭裁判所との折衝
【場面3】 学校による正式処分と転校の決断
■column03 出席認定
事例06 体   罰
【場面1】 親からの相談
  1 体罰とは  
  2 体罰の絶対的禁止  
3 本件について
【場面2】 事情聴取,方針決定
【場面3】 学校交渉
  1 通知文  
  2 学校交渉
【場面4】 和解へ
事例07 授業中の怪我と保険
【場面1】 小学6年生の女の子(Aさん)の父親からの相談
  1 学校事故  
  2 学校事故と学校の責任
【場面2】 学校交渉
  1 交渉における獲得目標  
  2 独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度  
  3 傷害保険
事例08 不登校と内申書
【場面1】 相談
  1 内申書とは  
  2 内申書の開示手続
【場面2】 面接相談
  1 訂正請求  
  2 学校交渉の中での訂正
【場面3】 学校との交渉
第2節 インターネットやカメラ付携帯電話などから生じる現代的問題
事例09 男女問題がこじれて脅迫されたケース
【場面1】 本人(Aさん)からの電話相談
  1 SNS の落とし穴  
  2 「親に知られたくない」  
  3 面談につなぐ
【場面2】 面接相談での事情確認
【場面3】 警察への相談後
事例10 プライベート写真がネットに流出したケース
【場面1】 電話相談(プライベート写真ネット流出のケース)
  1 本人との面談の重要性  
  2 事実確認  
  3 今何ができるかがポイント  
  4 受任と保護者の同意
【場面2】 具体的な問題の確認
  1 完全削除の困難性  
  2 ネット上の問題に関する相談窓口  
  3 削除方法
Q&A02  不登校とネット依存
おさえておきたい知識01  インターネット社会において家族がサポートできること
  1 課題へのアプローチ  
  2 子どもが成長する上で家族ができるサポート――大切なのは見守られている感覚
第3節 非行・少年事件
事例11 少年事件その1――身柄拘束事件でみる審判までの一般的な流れ
【場面1】 当番弁護の出動
  1 少年事件における弁護士の役割 
  2 少年事件における身体拘束の手続,全件送致主義  
  3 少年の自白の危険性,迎合性,被暗示性  
  4 学校への対応  
5 弁護士による受任について(国選弁護制度,法律援助制度)  
  6 発達障がいと少年事件について
【場面2】 家庭裁判所送致〜観護措置決定
  1 観護措置決定における付添人活動  
  2 付添人選任手続
【場面3】 少年鑑別所での面会
  1 審判に向けての付添人活動  
  2 法律記録,社会記録の閲覧  
  3 調査官による社会調査  
  4 少年鑑別所における少年との面会 
  5 少年鑑別所における鑑別調査  
  6 環境調整活動
【場面4】 審判期日に向けての準備
  1 被害者との示談の意義  
  2 調査官との面談  
  3 裁判官への「意見書」の提出,面会,協議  
  4 付添人からの処遇意見
【場面5】 審判期日当日
  1 審判日について  
  2 審判における処遇の種類  
  3 少年審判の抗告申立て
■column04 少年事件における身柄関係について
事例12 少年事件その2――在宅事件の場合
【場面1】 電話相談
  1 少年審判は弁護士がサポート  
  2 相談者の話をよく聞く  
  3 継続相談とし早急に面談を  
4 面談には少年本人も来てもらう  
  5 費用面の不安を取り除く
【場面2】 事務所での面談
  1 保護者から選任してもらうこともできる  
  2 個別に話を聞いた方が良い場合もある  
  3 示談交渉も必要
■column05 責任能力について
事例13 少年事件その3――否認事件の場合
【場面1】 相談
  1 全件送致主義  
  2 被疑者段階での弁護活動
【場面2】 接見から家裁送致まで
  1 少年事件における証拠法則  
2 少年事件における否認主張と進行協議
【場面3】 裁判官との面談
  1 証人尋問  2 調査命令
【場面4】 証人尋問及び少年質問
【場面5】 環境調整活動,最終審判
  1 環境調整活動  
  2 不服申立方法  
  3 少年の保護事件に係る補償に関する法律(少年補償法)
■column06 共謀について
事例14 少年事件その4――虞犯事件の場合⑴
  1 虞犯少年とは  
  2 虞犯事件の送致手続  
  3 虞犯の成立と範囲に関する検討  
  4 要保護性の解消に向けた活動
事例15 少年事件その5――虞犯事件の場合⑵
  1 犯罪事実から虞犯事実への認定替え  
  2 虞犯事実から犯罪事実への認定替え
第4節 児童福祉関係
事例16 虐待事案その1――母親から虐待を受けているケース
【場面1】 学校の先生からの電話相談
  1 「児童虐待」の定義  
  2 児童相談所による対応  
  3 児童相談所につなぐ
【場面2】 本人との面接相談での事実確認
  1 Aさん本人から直接話を聞く  
  2 Aさんからの聴取り事項  
  3 虐待が疑われる場合の児童相談所への連絡
【場面3】 児童相談所への同行
【場面4】 Aさんの関係者への連絡,転居先の検討
  1 Aさんの関係者への連絡  
  2 シェルターからの転居先の検討  
  3 18歳以上の未成年者の保護  4 さいごに
■column07 ネグレクト
事例17 虐待事案その2――離婚後に親権者からの虐待が発覚したケース

【場面1】 離婚後,子どもと会えなくなった
  1 児童相談所による一時保護  
  2 一時保護後の手続
【場面2】 親権者変更
【場面3】 子どもを取り戻すまで
■column08  代理によるミュンヒハウゼン症候群(Munchausen Syndrome By Proxy:MSBP)
事例18  虐待事案その3――孫が自分の親から逃れ祖母に助けを求めたケース
【場面1】 電話相談
  1 親権について  
  2 監護権について  
  3 養育費について
【場面2】 面接相談
  1 父母による子の引渡請求  
  2 人身保護請求
【場面3】 娘夫婦との話合い
  1 調停手続について  
  2 調停条項
事例19 発達障がいと他者とのトラブル
【場面1】 電話相談(誤導のおそれのある例)
  1 初動対応の問題  
  2 発達障がいの可能性
【場面2】 面接相談
  1 医療機関への受診,相談  
  2 診断を受けた場合のサポート
【場面3】 話合い
  1 学校との連携 
  2 被害児童親との交渉(慰謝料等の程度)
おさえておきたい知識02  特別支援教育
  1 「特殊教育」から「特別支援教育」へ  
  2 特別支援教育を行う学校等の概要  
  3 東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画について  
  4 障害を有する児童生徒と触法行為  
  5 教育を受ける権利等との関係
■column09 医療と子ども
おさえておきたい知識03  保育所への入所問題
  1 育休退園制度  
  2 保育利用解除処分の差止訴訟・仮の差止めの申立て  
  3 保育利用解除処分の取消訴訟・執行停止の申立て  
  4 申請型義務付訴訟・仮の義務付けの申立て  
  5 待機児童解消に向けて
■column10 ヤングケアラー
第5節 離婚と親権
事例20 離婚と親権,面会交流
【場面2】 面接
【場面3】 審判
  1 審判について  
  2 履行確保の手段について
おさえておきたい知識04  子どもの手続代理人の活用
  1 子どもの手続保障  
  2 子どもの手続代理人の活動―― 子どもが利害関係参加する場合  
  3 その他
■column11 子の強制的な引渡し
Q&A03  再婚による家族関係の悩み
第3章 子どもをとりまく様々な問題――法律の垣根を越えて
Q&A04  PTSD
Q&A05  リストカット
■column12 自傷する子どもの支援のために
Q&A06  不登校とひきこもり
Q&A07  性同一性障がいとセクハラ
Q&A08  保護者から行き過ぎた依頼等を受けた場合の対応
Q&A09  子どもによる自転車事故
■column13 外国に関係する子どもをめぐる法的問題
■column14 多様な背景に対する配慮を
■column15 高校生の選挙運動
資料:いじめ防止対策推進法
事項索引

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