青林書院



示談・調停・和解の手続と条項作成の実務


示談・調停・和解の手続と条項作成の実務
 
編・著者園部 厚 著
判 型A5判
ページ数280頁
税込価格3,564円(本体価格:3,300円)
発行年月2017年01月
ISBN978-4-417-01705-9
在庫有り
  
在庫があります

■解説
裁判官の目から見た,より良い合意・和解とはどのようなものか?
●紛争解決までの一連の手続と書式を明示。
 □手続きがどのように機能し,どのように利用され,紛争が解決されている
  のか。
 □裁判所で手続がどのように進行し,どの紛争がどの手続きに適している
  のか。
●調停・示談・和解条項作成の留意点と実際の記載例を多数掲載。
 □どのような交渉をし,どのような合意をし,どのような条項を作成する
  のか。
 □当事者の合意内容を反映した的確・合理的な条項とは。


はしがき
 
人が沢山の他の人と関わりをもちながら社会生活を営む以上,他の人との
間で,紛争が生ずるのは避けられない。その紛争は,紛争の当事者間の交
渉によって解決することができれば,それが一番良いことであるが,それ
によって解決しないこともある。紛争の当事者間の交渉によって解決し
た場合,それは「示談」の成立により解決したことになる。紛争が当事者
間の交渉によって解決しない場合の紛争解決手段として,第三者としての
ADR機関が関与する,ADR〔裁判外紛争解決手続〕がある。ADR機関としては,
行政機関と民間機関がある。司法機関である裁判所にも,広い意味でのADR
に当たる「民事調停」,「家事調停」もあるが,これら裁判所で行われる
調停の手続では,成立した調停調書の給付条項が任意に履行されない場合
強制執行ができる効力が認められるという,他の行政機関や民間機関が行
うADRと異なるところがある。そのほか,裁判所で行われる広い意味での
ADRとして,他に,労働事件について行われる「労働審判」がある。労働審
判では,調停も行われるが,そこで合意が成立しなければ,裁判所の判断が
審判として示される。また,借地に関する紛争について,その権利関係を
最終的に確定するものではないが,裁判所の判断を示して,紛争を解決する
ものとして「借地非訟」がある。また,紛争解決について,ある程度の合意
ができているが,将来の紛争の可能性がある場合には,裁判所で和解手続を
行ってもらう「訴え提起前の和解」の手続もある。そして,それらの手続で
も紛争が解決しない場合は,紛争解決の最終的方法として判断を示すものと
して,「訴訟」がある。その訴訟手続の中には,相手方である債務者の話を
聞かずに(民事訴訟法386条),裁判所の判断に異議(督促異議)があれば
訴訟へ移行する,特別訴訟(略式訴訟)手続である「支払督促」がある。
通常の訴訟手続では,最終的に,当事者が自己の権利について立証し,紛争
に対する裁判所の判断が,「判決」として出されることになる。訴訟手続に
おいても,最終的判断である判決を出す前に,当事者間で紛争解決の合意が
されることがあり,その場合には「(訴訟上の)和解」として和解調書(民
事訴訟法89条・267条)が作成される。また,簡易裁判所では,最終的合意
に至らない場合でも「和解に代わる決定」(民事訴訟法275条の2)を出して
事件が終了することもある。
 本書では,それらの紛争解決のための手続を横断的に捉え,それぞれの解
決手段がどのように機能し,どのような紛争で利用され,どのように紛争が
解決しているのかを解説している。具体的には,示談,ADRについて説明し,
簡易裁判所で行われる手続である,民事調停,訴え提起前の和解,支払督促,
訴訟手続について説明する。訴訟手続の中では,訴訟上の和解,和解に代わる
決定についての説明もしている。そして,裁判所で行われる手続が,どのよう
に進行し,それぞれどのような紛争がその申立てに適しているのか,そしてそ
の中で調停,和解等をする場合,どのような合意をし,どのような条項を作成
するのかなどについて説明することとする。
 本書においては,これらの紛争解決についての一連の手続について,それぞ
れの手続がどのような場合にどのように行われるかについて説明をすることに
よって,それぞれの手続の意味合いを理解することができ,どのように利用す
ることができるか理解することができると思われる。それにより,紛争解決の
ための手続の利用の促進につながれば幸いである。
 最後に,本書の企画の段階から携わっていただき,本書刊行までお世話にな
った青林書院の長島晴美さん,校正をお手伝いいただいた高井香奈枝さんに感
謝を申し上げます。  

 平成29年1月
 園部 厚



   
−お奨めの関連する書籍−

家事調停の実務
編・著者:紙子達子・野本俊輔・羽成守 編
発行年月:2014年09月
税込価格:5,400
在庫:有り



■書籍内容
目 次
序章 紛争解決方法
第1章 示談  
示談とは 
示談のメリット 
示談による解決 
示談での注意
示談書の作成 
示談における被害者のその余の請求放棄の意味

第2章 ADR  
ADRとは  
裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律〔ADR法〕の制定 
ADR機関 
ADRの種類

第3章 裁判所における民事調停手続  
第1 民事調停手続 
裁判所における民事調停手続とは  
民事調停と家事調停  
民事調停手続のメリット 
民事調停手続に向いている紛争 
民事調停事件の種類 
調停前置主義 
民事調停事件の申立て先〔管轄〕 
民事調停の申立て 
《★3−1 調停申立書》 
民事調停事件における手続代理人 
《★3−2 代理人許可申請書・委任状》 
民事調停申立てに伴う民事執行手続の停止 
《★3−3 民事調停申し立てに伴う担保不動産競売手続停止決定申立書》 
《★3−4 民事調停申し立てに伴う担保不動産競売手続停止決定》 
民事調停申立てに伴う当事者の情報の収集・提供  
民事調停機関 
調停の権限─地方公共団体の和解 
民事調停への利害関係人の参加  
《★3−5 民事調停における利害関係人参加申出書》 
民事調停事件の進行  
民事調停事件における事実の認定及び解決案の提示  
民事調停事件の終了
(1)申立書の却下
(2)調停不成立
(3)調停に代わる決定〔17条決定〕 
(4)調停をしない措置
(5)調停申立ての取下げ
(6)調停申立ての取下げ擬制
(7)調停条項の裁定による調停成立
第2 調停の成立  
調停の成立  
調停条項  調停成立の効果  
調停調書の更正  
調停成立を争う方法
第3 各事件類型ごとの調停  
売買関係事件における調停
借受金〔貸金〕返還請求事件における調停
債務弁済協定事件における調停
〈債務額確定,債務不存在確認〉調停事件  
賃料増減請求事件における調停  
賃料等請求事件における調停 
賃借物の必要費償還請求事件における調停 
マンション管理費等請求事件における調停 
請負関係調停事件 
労働関係調停事件  
交通事故に基づく損害賠償請求事件における調停
相隣関係に関する紛争についての事件における調停  
農事調停  
第4 調停成立以外の調停の終了  
調停に代わる決定  
《★3−6 〔17条決定〕》  
調停の不成立等で終わった場合の調停申立ての効力  
第5 特定調停制度  
特定調停事件とは  
特定調停事件の管轄  
特定調停の申立て  
《★3−7 特定調停申立書》  
《★3−8 関係権利者一覧表》  
特定調停事件における執行停止  
特定調停事件の進行  
特定調停における解決案の提示  
特定調停事件の終了  
(1)調停をしない措置  
(2)調停不成立  
(3)調停成立  
(4)調停条項案の書面による受諾  
(5)調停委員会が定める調停条項  
(6)調停に代わる決定〔17条決定〕  
(7)調停申立ての取下げ  

第4章 訴え提起前の和解  
訴え提起前の和解の意義  
訴え提起前の和解申立ての要件─争いの存在  
訴え提起前の和解の申立て  
《★4−1 訴え提起前の和解申立書》  
訴え提起前の和解事件の審理・事件の終了  
(1)訴え提起前の和解申立ての却下  
(2)和解成立  
(3)期日の続行  
(4)和解不成立  
(5)当事者が不出頭の場合  
ア 和解不成立の擬制  
イ 期日の延期  
ウ 訴え提起前の和解申立ての取下げ擬制  
(6)訴え提起前の和解申立ての取下げ  
訴え提起前の和解不成立と訴訟移行の申立て 
《★4−2 訴え提起前の和解の訴訟移行の場合の調書の記載》  
和解調書の更正  
訴え提起前の和解成立の効力を争う方法  
(1)請求異議の訴え
ア 異議事由  
イ 管轄裁判所  
ウ 執行停止  
(2)和解無効確認の訴え
ア 無効事由  
イ 管轄裁判所  
ウ 執行停止  

第5章 支払督促  
督促手続の概要  
督促手続はどのような場合に利用するか  
支払督促の申立て  
《★5−1 支払督促申立書》  
支払督促申立てに対する判断─支払督促の発令  
《★5−2 支払督促申立却下処分》  
《★5−3 支払督促》
支払督促に対する仮執行宣言の付与  
《★5−4 支払督促に対する仮執行宣言》  
督促異議の申立て  
《★5−5 督促異議申立書・定型督促異議申立書》 
《★5−5 督促異議申立書・督促異議申立書》  

第6章 訴訟手続  
第1 訴訟手続 
議名鐐幣拏蠡
1 訴訟手続とは  
2訴えの提起 
《★6−1 定型訴状》  
3簡易裁判所における訴状の紛争の要点の記載  
4訴訟における当事者の主張立証  
5判決による紛争解決  
《★6−2 新様式判決の基本形》  
蕎額訴訟手続
6少額訴訟とは
7少額訴訟の適格性
8少額訴訟の判決による紛争解決 
《★6−3 少額訴訟における支払期限付判決主文記載例》
《★6−4 少額訴訟における分割払判決主文記載例》  
第2 訴訟上の和解
杵族鬚亮蠡
和解勧告─和解の意義
和解をする権限
(1)訴訟代理権  
(2)共同親権者・共同訴訟人の出頭・陳述  
(3)破産管財人等の和解  
(4)地方公共団体の和解  
裁判所外での和解〔現地和解〕  
和解への利害関係人の参加  
《★6−5 利害関係人参加申出書》  
司法委員の関与
(1)司法委員制度
(2)司法委員の関与の仕方
(3)司法委員の関与の意味
訴訟における和解成立に向けての訴訟進行
(1)和解による解決のメリットの当事者への説明等
(2)和解による解決のための早期の争点の明確化
《★6−6 基本的証拠一覧表》
(3)和解案提示の時期  
(4)和解案提示による紛争の解決
和解の成立
和解の成立の意味〔強制執行ができる文書,債務名義性〕  
和解条項
訴訟上の和解と既判力 
各事件類型ごとの和解
金銭請求事件における和解  
仮執行宣言後の督促異議訴訟における和解,少額異議審での和解  
交通事故に基づく損害賠償請求事件における和解  
(1)自動車保険における弁護士費用補償特約の普及による交通事故に基づく損害賠償
   請求事件の増加  
(2)不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止について─相殺契約 
(3)弁護士費用・遅延損害金の取扱い  
(4)交通事故に基づく損害賠償請求事件における和解の進行  
《★6−7  交通事故に基づく損害賠償請求事件の進行に関する事務連絡》  
(5)交通事故に基づく損害賠償請求事件における基本和解条項  
 一括支払の基本和解条項】  
(6)双方の交通事故による損害賠償債権の当事者が異なる場合の差額支払和解条項 
(7)双方の交通事故による損害相殺後の基本和解条項  
(8) 交通事故による人損の損害請求  
ア 被害者の自賠責保険の直接請求の和解条項  
イ 後遺症損害の除外の和解条項  
労働関係訴訟における和解 
(1)賃金支払請求における和解 
ア 使用者の源泉徴収義務  
イ 和解条項に記載すべき賃金額  
ウ 賃金債務の遅延損害金  
ア 商人が労働者と締結する労働契約の遅延損害金の利率 
イ 賃金債務の退職後の遅延損害金 
エ 賃金債権に対する相殺の禁止  
(2)解雇関係事件における和解  
(3)労働者の使用者に対する労働災害による損害賠償請求事件  
賃貸建物明渡し等請求事件における和解  
敷金返還請求事件における和解 
(1)敷金とは  
(2)賃借物の原状回復費用等の控除  
(3)通常損耗賃借人負担特約〔原状回復特約〕・敷引特約  
(4)〈通常損耗賃借人負担特約・敷引特約〉の消費者契約法10条による無効 
建物収去土地明渡請求事件における和解 
(1)借地契約解除に伴う建物収去土地明渡請求における和解 
(2)期間満了による借地契約消滅と建物買取請求権行使・土地明渡しの和解  
賃料増減請求事件における和解 
請負代金請求事件における和解  
登記関係請求事件における和解  
(1)登記申請の原則─登記手続を命ずる確定判決・和解調書等に基づく登記  
(2)登記手続費用負担条項  
(3)不動産の公租公課の負担者  
(4)売買を原因とする所有権移転登記請求における和解  
(5)真正な登記名義の回復を原因とする抹消に代わる所有権移転登記手続請求
   における和解  
(6)時効取得を原因とする所有権移転登記手続請求における和解  
(7)未登記建物〔表題登記のない建物〕の売買における所有権移転登記請求における
   和解  
(8)所有権保存登記のない建物〔表題登記のみがある建物〕の売買における所有権
   取得登記請求における和解  
(9)相続登記未了不動産の売買における所有権取得登記請求における和解  
(10)売主が死亡した場合の所有権取得登記請求における和解  
ア 相続登記がされていない場合 
イ 相続登記がされている場合  
(11)買主が死亡した場合の所有権取得登記請求における和解  
(12)不動産の一部の売買における所有権取得登記請求における和解  
(13)順次売買における所有権取得登記請求における和解 
(14)中間省略登記請求における和解 
(15)登記引取請求における和解 
(16)抹消登記手続請求における和解  
(17)所有権移転登記抹消登記手続及びその承諾請求における和解  
(18)順次の所有権移転登記抹消登記手続における和解  
(19)所有権保存登記の抹消登記手続における和解  
(20)滅失登記手続〔表示の登記の抹消登記手続〕における和解  
(21)農地等についての所有権移転許可申請手続協力及び所有権移転登記手続
    請求における和解  
ア [農地等の売買等に基づく]農地法3条の所有権移転許可申請手続協力及び
   所有権移転登記手続請求における和解 
イ 〈農地・採草放牧地〉の時効取得を原因とする所有権移転登記請求における和解  
ウ [農地等の売買等に基づく]農地法5条の所有権移転許可申請手続協力及び
   所有権移転登記手続請求における和解  
エ 〈農地・採草放牧地〉の転用目的での所有権の時効取得と農地法5条の許可 
   申請における和解  
《★6−8 自動車目録》 
《★6−9 軽自動車目録》
債権者代位訴訟における和解
執行関係訴訟における和解 
(1)取立訴訟における和解 
(2)請求異議訴訟における和解 
(3)配当異議訴訟等における和解 
(4)第三者異議訴訟における和解  
(5)〈執行文付与に関する異議の訴え及び執行文付与の訴え〉における和解  
    和解成立後の手続
33 和解調書の更正  
訴訟上の和解の無効等の主張方法  
訴訟上の和解の解除  
第3 和解に代わる決定  
和解に代わる決定の意義  
和解に代わる決定の要件  
《★6−10 和解に代わる決定》  
和解に代わる決定の要件に当てはまらないものの処理─調停に代わる決定〔17条決定〕 
原告不出頭と和解に代わる決定  
被告が何らかの主張をした場合と和解に代わる決定  
《★6−11 被告が何らかの主張をした場合の和解に代わる決定における理由の記載》 
原告が支払済みまでの遅延損害金を請求している場合と確定金額での確認・給付条項  
訴え提起後の遅延損害金の支払義務免除と期日までの確定金額での確認・給付条項  
5年を超える分割払期間を定める条項  
和解に代わる決定の効果 
和解に代わる決定の更正  
《★6−12 和解に代わる決定の更正決定》  

事項索引  
調停条項索引  
和解条項索引  
条文索引  
判例索引  

Copyright © SEIRIN SHOIN All Rights Reserved.