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不正競争の法律相談


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不正競争の法律相談
 
編・著者小野昌延・山上和則・松村信夫編
判 型A5判
ページ数456頁
税込価格5,616円(本体価格:5,200円)
発行年月2016年04月
ISBN978-4-417-01683-0
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■解説
「表示」「形態」「営業秘密」に関わる問題は今や不正競争防止法を抜きにし
ては語れない。
現実の「不正競争」を読み解くための確かな指針。
総勢70名を超える専門家が全100問の重要問題に答える。


はしがき

不正競争法は,現代社会でいろいろな側面を持っている。それは,現代法体系の根本法の一つにすらなっている。従来の不法行為法は,生産中心の法体系より,流通・消費をも重視する法体系に変化してきた。かかる理論的な面でなく,実務的な面,「経営者の実務処理」の側面からみても,はたまた,各人の「生活」の側面からみても,経営や個人生活そのものが,大きく変革してきた。実務の処理の各側面において,不正競争に関連した問題についての回答が,現代生活において,重要となってきた。しかるに,従来の法体系書では,その回答は,不十分なままである。
現実の「経営」においても,企業間競争は変化しており,解決すべき多くの問題が生じている。世界的なハーモナイゼーションの潮流において,新しい競争上の問題が生じている。また,情報の重要性の増加・IT化の速い進みとともに,従来想像もできなかった新しい法律的問題が現れている。これらの問題は,従来の法律書において,あまり解説されなかった問題であり,しかも経営者は,その回答に迫られている。「個人生活」においても,新しい問題が生じている。従来の不法行為法の問題を超えた,「消費者法」という問題である。
「消費者庁」の主管する「消費者行政」は,かつては,なんと通商産業省の日用品課が,その業務の一部として所管するところにすぎなかった。消費者行政は,「課」から「庁」にまで発展してきている。かつて不正競争防止法の概説書もなかった時代から,具体的事例の競業関係判例も,次々と現れる時代となった。理論的にも,広く「表示法」と捉え得る。今日,この「相談シリーズ」は,判決例をも盛り込む内容となって,内容も豊富になって,他の「相談シリーズ」と均衡のとれない浩瀚なものになった。
内容は当然,商品表示や原産地の虚偽表示・ノウハウ問題などを対象とした,不正競争防止法を中心とする法律問題のみならず,より広範な領域の多くの問題を対象としなければならない。勿論それは,営業秘密の民事的保護のみならず刑事的保護をも含み,商品形態の保護,技術的制限手段やドメインネームの保護,外国公務員への贈賄禁止まで含む,広い分野の不正競争問題,のみならず,それを超えた問題,例えば,オリンピックの国際的エンブレム問題,あるいは,消費者行政関連問題も含む多方面の問題である。したがって,多くの人々の執筆協力を得る必要がある。
今後,この分野は,これまで以上に重要になってくる。必要なすべての問題を一冊の「相談シリーズ」に収録すると,他と均衡がとれないし,不便もある。そこで,2分冊にすることにした。しかし内容は,この種の書物としては,現在では最も充実したものになった。この分野の具体的問題には,現在進化しつつある問題も多い。このような問題は,問題自体の解説や,問題の提起すら重要であり,そこで,執筆者の意見を尊重し,編者の意見で統一するようなことはしていない。共編者の山上和則先生・松村信夫先生には,このような難しい本書の調整に,格段の編集的努力をしてもらった。ここまで仕上げていただいた本書は,両編集者の手になるといってよい。
また,いつもながら,青林書院の逸見慎一社長・編集部宮根茂樹氏には無理な願いを聴いていただいた。その他,編集にあたっていただいた方々には格段の協力をいただいた。忙しいなか,執筆願った方々に厚く感謝申し上げる次第である。

 平成28年3月吉日
 編集代表 小野 昌延


編集者・執筆者一覧

編集者
小野昌延(弁護士・法学博士)
山上和則(弁護士)
松村信夫(弁護士・弁理士)

執 筆 者(執筆順)
松本 司(弁護士)
田上 洋平(弁護士)
市政 梓(比較法研究センター特別研究員)
小西 敏雄(弁護士)
井上 裕史(弁護士)
谷口 由記(弁護士・弁理士)
土肥 一史(日本大学教授)
小松陽一郎(弁護士)
松村 信夫(上 掲)
塩田千恵子(弁護士)
諏訪野 大(近畿大学法学部教授)
藤川 義人(弁護士・弁理士)
田中 成志(弁護士・弁理士)
足立 勝(ニューヨーク州弁護士・早稲田大学知的財産法制研究所招聘研究員)
伊原 友己(弁護士・弁理士)
南川 博茂(弁護士)
岩坪  哲(弁護士・弁理士)
久世 勝之(弁護士)
小池 眞一(弁護士)
末吉  亙(弁護士)
伊藤  真(弁護士・弁理士)
平井 佑希(弁護士・弁理士)
小池  豊(弁護士)
三山 峻司(弁護士・弁理士)
山上 和則(上 掲)
重冨 貴光(弁護士・弁理士・ニューヨーク州弁護士)
雨宮沙耶花(弁護士)
田倉  保(弁護士・弁理士・ニューヨーク州弁護士・ワシントン州弁護士)
三村 量一(弁護士・元知的財産高等裁判所判事)
下坂スミ子(弁理士)
城山 康文(弁護士)
栗原 良扶(弁護士)
板倉 集一(甲南大学法科大学院教授)
松尾  眞(弁護士)
中務 尚子(弁護士)
佐久間 修(大阪大学大学院法学研究科教授)
帖佐  隆(久留米大学法学部教授)
佐藤 力哉(弁護士)
海野圭一朗(弁護士)
栗原 佑介(甲府地方・家庭裁判所都留支部裁判所書記官)
甲斐 淑浩(弁護士)
   
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不正競争の法律相談
編・著者:小野昌延・山上和則・松村信夫編
発行年月:2016年04月
税込価格:5,616
在庫:有り



■書籍内容
第2章 各種の不正競争行為
第5節 技術的制限手段に係る不正行為
Q53技術的制限手段の保護

第6節 ドメイン名不正使用行為
Q54ドメイン名の不正使用とフィッシング

第7節 原産地等誤認惹起行為
Q55品質・内容・製造方法・用途・数量の誤認惹起行為
Q56原産地の誤認惹起行為
Q57景品表示法,独占禁止法その他の特別法との関係
Q58比較広告,寄生的広告,おとり広告,誇大広告
Q59品質等誤認表示事件における損害賠償額の算定
 
第8節 営業誹謗行為(2条1項15号)
Q60信用毀損行為の意義
Q61顧客の奪取目的の告知と「虚偽事実」の立証
Q62警告書と不正競争特許権を侵害していないと信じているにもかかわらず,
  取引先に侵害しているとの文書を配布された場合,どのように対応す
  ればよいでしょうか。
Q63競争関係にある者と競争関係にない者による共同不法行為の成否
Q64国外の信用毀損行為

第9節 代理人等の商標冒用行為(2条1項16号)
Q65代理人等の商標冒用行為
 
第10節 外国の国旗等や国際機関の標章の使用行為(16条・17条)
Q66外国の国旗等の商業上の使用禁止
Q67国際機関の標章の商業上の使用禁止

第11節 外国公務員への不正の利益の供与行為(18条)
Q68外国公務員への不正の利益の供与

第3章 民事訴訟上の諸問題
第1節 民事的救済の方法
   ≪ 第1款 差止請求権 ≫
Q69差止請求権者の範囲
Q70差止請求の相手方
Q71「使用の中断」「使用中止」と差止請求権
Q72技術情報系の営業秘密の差止請求訴訟における「請求の趣旨」
Q73技術情報系の差止請求訴訟における「営業秘密」の特定と具体的態様の明示義務
Q74「特定の変更」と「訴えの変更」
Q75営業秘密不正使用行為に対する差止請求の範囲
Q76不正利用行為の立証
   ≪ 第2款 損害賠償請求権 ≫
Q77損害額の算定に関する諸規定
Q78慰謝料請求の可否
Q79文書提出命令と秘密保持命令
   ≪ 第3款 信用回復措置請求権 ≫
Q80信用回復の措置
   ≪ 第4款 混同防止表示付加請求権 ≫
Q81差止請求権者と善意使用者との間の調整
   ≪ 第5款 そ の 他 ≫
Q82違法な商号・商標の抹消請求
Q83法人代表者や従業員の民事上の個人責任
Q84不正競争防止法に基づく訴訟の裁判管轄
 
第2節 民事訴訟手続における営業秘密の保護
Q85訴訟記録の閲覧等制限
Q86秘密保持命令
Q87公開停止

第3節 適用除外等
Q88「普通名称」「慣用表示」「自己氏名」の使用
Q89先使用(旧来表示の善意使用)
Q90信用毀損行為と時効
Q91「模倣商品」と「不正行為に係る営業秘密」の善意取得
Q92技術的制限手段の試験研究
Q93登録商標の抗弁
Q94権利失効の原則
 
第4章 刑事事件をめぐる諸問題
Q95不正競争刑事事件における主観的要件
Q96法人,代表者,従業員の刑事責任
Q97刑事罰による営業秘密の保護
Q98営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟手続の特例
Q99営業秘密の秘匿決定・証拠開示の際の秘匿要請・刑事記録の閲覧
Q100外国公務員贈賄罪とコンプライアンス
 

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