青林書院



製造物責任 判例ハンドブック 


製造物責任  判例ハンドブック 
 
編・著者羽成守・青木莊太郎 [編]
判 型A5判
ページ数416頁
税込価格4,320円(本体価格:4,000円)
発行年月2014年10月
ISBN978-4-417-01637-3
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■解説
●製造物の欠陥による損害賠償法の根幹をなす
 極めて重要な法制度PL法を解説。

 法施行から20年を迎えようとしているPL法。責任論,
 欠陥の内容並びに損害といった組み立てに加え,当事者の
 主張・立証の章も設け,精選した53の判例,裁判例で,
 法解釈まで論及する。


●はしがき
  製造物(製造又は加工された動産)の欠陥により生じた消費者の被害に対する
 製造者企業の責任を明らかにした製造物責任法(PL法)は,平成6年(1994年)
 に公布され,翌平成7年(1995年)に施行された。
  製造物責任(Product Liability)に関する法律は,1965年にアメリカで制定
 され,その20年後の1985年,ヨーロッパでEC市場統合の必要からEC指令がまと
 まり,当時アメリカ,ヨーロッパとの貿易を主力としていた日本でも,立法の
 必要性が論議され,EC指令の10年後に製造物責任法が制定されたものである。
  従来の民法下の不法行為損害賠償は「故意・過失」を要件としていたが,
 PL法では責任要件として製品の「欠陥」のみを規定し,製造者側の主観的要件を
 排除した。一方,PL法立法に対する製造者企業側の警戒心,反発も強く,成立し
 たPL法は,欠陥存在の推定規定を設けず,被害者である消費者側に欠陥の立証責
 任を負わせたり,開発の際の科学と技術水準からみて,製品に内在する欠陥を発
 見することができなかったことを製造者側が証明できれば責任を問わないとする,
 いわゆる「開発危険の抗弁」を認めるなど,製造者企業側にとっては,ゆるやか
 な法律になっているとも言われた。
  また,PL法は全6条という小さい法律であるため,立法当初は,PL法立法の
 効果を疑問視する声が存していたことも事実である。
  しかし,施行から20年を迎えようとしている今日までの裁判例の集積は,
 小さなPL法を肉付けすることとなり,今や,製造物の欠陥による損害賠償法の
 根幹をなす極めて重要な法制度となった。
  本書は,全体を6章に分け,総則をはじめとして責任論,特に欠陥の内容
 ならびに損害といった組み立てに加え,当事者の立証について一章をさくこと
 とした。これは,前述したように,PL法は欠陥存在の推定規定を設けなかったが,
 このことが実際の訴訟において消費者に不利となっているかを知ることができる
 とともに,訴訟においては,実際にどの程度までの主張・立証が必要であるかを
 知る一つの目安となると考えたからである。
  本書は,判例ハンドブックとしてはいるが,単なる判例の紹介に止まらず,
 広く学説を紹介し,PL法の解釈についても論及した。PL法施行後20年目にこの
 ような本を刊行することができたことは編者としても嬉しい限りである。
  
 平成26年(2014年)9月
 羽成   守
 青木 莊太郎


【編集者】
羽成  守(弁護士 ひびき綜合法律事務所)
青木莊太郎(弁護士 青木法律事務所)
  
【執筆者(執筆順)】
羽成  守(弁護士 ひびき綜合法律事務所)
鹿田  昌(弁護士 小田原・鹿田法律事務所)
岸  郁子(弁護士 四谷番町法律事務所)
青木莊太郎(弁護士 青木法律事務所)
氏原 隆弘(弁護士 あたご法律事務所)
大内 倫彦(弁護士 あたご法律事務所)
新美 裕司(弁護士 東京神田法律事務所)
兼松 浩一(弁護士 東京神田法律事務所)
保原 麻帆(弁護士 青木法律事務所)
芳仲美惠子(弁護士 畑・芳仲法律事務所)
垣内 惠子(弁護士 涼和綜合法律事務所)
川原奈緒子(弁護士 東京グリーン法律事務所)

■書籍内容
目次

はしがき
凡  例

第1章 総   則
〔概 説〕
1 PL法/2 PL法と他の法制
第1 管 轄
1 国際裁判管轄
〔1〕 東京地判(中間判決)平成18年4月4日
第2 準拠法
1 PL法の準拠法
〔2〕 東京地判平成19年5月17日
第3 製造物
1 自然産物と加工(イシガキダイ食中毒訴訟)
〔3〕 東京地判平成14年12月13日
2 動産と付合(エスカレーターの動産性)
〔4〕 東京地判平成25年4月19日
第4 PL法の適用範囲(ソフトウエア)
1 ソフトウエアと製造物
〔5〕 東京地判平成15年1月31日
第5 PL法と他の法制との関係
1 PL法と民法(瑕疵担保責任)
〔6〕 京都地判平成18年11月30日
2 PL法と民法(債務不履行責任)
〔7〕 東京地判平成23年5月12日
3 PL法と商法(買主の検査・通知義務)
〔8〕 東京地判平成22年4月21日
4 PL法と国等の責任
〔9〕 奈良地判平成21年5月26日
第6 請求権の主体
1 PL法と事業者
〔10〕 東京地判平成19年4月11日

第2章 責任の主体
〔概 説〕
1 責任の主体/2 製造業者/3 表示製造業者/
4 実質的表示製造業者
第1 販売会社
1 輸入業者と販売会社
〔11〕 東京地判平成17年3月24日
第2 輸入業者
1 輸入業者
〔12〕 大阪地判平成22年7月7日
第3 製造業者とみなされる者
1 表示製造業者
〔13〕 東京地判平成19年7月9日
2 実質的製造業者
〔14〕 名古屋地判平成19年11月30日
3 実質的製造業者
〔15〕 札幌地判平成14年11月22日

第3章 欠   陥
第1 設計,製造上の欠陥
〔概 説〕
1 欠陥概念/2 製造上の欠陥/3 設計上の欠陥
1 抗がん剤(イレッサ)の副作用
〔16〕 東京高判平成23年11月15日
2 ロースターの脱臭オプション
〔17〕 東京地判平成18年7月10日
3 カーオーディオのスイッチのショート
〔18〕 東京地判平成15年7月31日
4 介護用ベッドによる傷害
〔19〕 京都地判平成19年2月13日
5 自動車カバーによる怪我
〔20〕 仙台地判平成13年4月26日
6 乗車中の自転車破損
〔21〕 東京地判平成25年3月25日
7 フレキシリードによる犬の怪我
〔22〕 岐阜地判平成22年9月14日
第2 指示・警告上の欠陥
〔概 説〕
1 欠陥概念/2 指示・警告上の欠陥/
3 指示,警告すべき内容,範囲
1 サウナ器具による皮膚障害
〔23〕 大阪地判平成22年11月17日
2 ガラス食器の破片による怪我
〔24〕 奈良地判平成15年10月8日
3 RV車の横転
〔25〕 高松地判平成22年8月18日
4 コレステロール低下剤の副作用
〔26〕 東京地判平成22年5月26日
5 化粧品による皮膚障害
〔27〕 東京地判平成12年5月22日
6 幼児用自転車のばりによる怪我
〔28〕 広島地判平成16年7月6日
7 配管ジョイント締め付け不良
〔29〕 東京地判平成18年4月28日
第3 通常有すべき安全性
〔概 説〕
1 通常有すべき安全性/2 消費者期待基準説と
  危機効用基準説/3 日本法における判断基準
1 トイレドアによる指挟み
〔30〕 東京地判平成23年2月9日
2 こんにゃくゼリーによる窒息
〔31〕 神戸地姫路支判平成22年11月17日
3 玩具入りカプセルによる窒息
〔32〕 鹿児島地判平成20年5月20日
4 油圧裁断機による圧死
〔33〕 東京高判平成13年4月12日
5 軽油代替燃料による車両トラブル
〔34〕 東京地判平成20年4月24日
6 イレッサの指示・警告内容
〔35〕 最判平成25年4月12日

第4章 損   害
〔概 説〕
1 損害の種類と賠償の範囲/2 製造物自体の損害
第1 製造物自体の損害
1 健康食品の欠陥
〔36〕 大阪地判平成17年1月12日
第2 損害の範囲
1 輸入食品の回収と信用損害
〔37〕 東京地判平成13年2月28日
2 行政指導による回収
〔38〕 東京地判平成17年7月19日

第5章 当事者の主張・立証
〔概 説〕
1 主張・立証責任/2 原告(被害者)側の主張・
  立証責任/3 被告(加害者)側の主張・立証責任
第1 使用者の主張・立証
1 携帯電話の異常発熱
〔39〕 仙台高判平成22年4月22日
2 乾燥装置による火災と欠陥
〔40〕 東京地判平成21年8月7日
3 立証の程度輸入食品の欠陥の内容
〔41〕 東京地判平成22年12月22日
4 立証の程度工作機械の不備と他原因の可能性   
〔42〕 東京地判平成19年2月5日
5 立証の程度中古車発火と他原因の可能性
〔43〕 大阪地判平成14年9月24日
第2 製造業者の主張・立証
1 防虫防錆剤と部品・原材料製造業者の抗弁,
  開発危機の抗弁   
〔44〕東京地判平成16年3月23日
2 滑車の欠陥と点検不備
〔45〕 東京地判平成22年2月10日
3 充電式フォークリフトの発火と誤使用
〔46〕 東京地判平成23年10月27日
4 便器洗浄剤による中毒と誤使用
〔47〕 東京地判平成23年1月17日
5 汎用品の製造物を食品解凍装置に装着した使用者の義務 
〔48〕 東京高判平成16年10月12日
6 焼却炉からの発火と使用者の義務と過失相殺
〔49〕 名古屋高金沢支判平成19年7月18日
7 携帯電話の発熱告知と過失相殺
〔50〕 岡山地判平成23年1月27日

第6章 保険,期間 
〔概 説〕
1 PL保険/2 期間
第1 PL法と保険
1 生産物賠償責任 保険約款
〔51〕 大阪高判平成21年9月11日
第2 時 効
1 除斥期間
〔52〕 神戸地尼崎支判平成24年5月10日
2 消滅時効の起算点
〔53〕 名古屋地判平成16年4月9日

【資料】
○民間PLセンター一覧
○製造物責任法(平成6年7月1日法律第85号)
○製造物責任法案に対する附帯決議(衆議院商工委員会 平成6年6月15日)
○製造物責任法案に対する附帯決議(参議院商工委員会 平成6年6月22日)
  
《判例索引》

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